研究分担者 |
金子 昌信 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (70202017)
米谷 文男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (10029340)
中岡 明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027920)
内山 淳 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70025401)
濱田 雄策 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027764)
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研究概要 |
確率・統計的理論の数値解析への応用,逆に確率・統計的諸問題の数値解析による研究等を総合的に扱う分野は「確率数値解析」と称される。本研究計画ではこのなかで、確率微分方程式で表現される非線形拡散の計算機による統計的シミュレーションを中心課題として取り上げこれについて総合的研究を行った。 いわゆる反応一拡散系と称される一連の現象や,粘性流体の運動等「拡散」に関わる非線形現象は至るところにありこの様な現象のシミュレーションとその可能性を探ることの重要性は広く認識されている。一般に微分方程式で表される現象のシミュレーションを行う標準的な手順はその方程式の数値解を構成することであり,常微分方程式におけると同様にこの事は確率微分方程式を適当な差分法で(時間領域に於て)離散化したモデルを解くことにより実現される。ところが非線形問題においては微分方程式の係数に確率微分方程式の未知解そのものの分布密度関数が含まれているため,数値近似解の構成に際しては各ステップ毎に得られた近似解のデータを基にその時点での分布密度関数を推定する必要がある。この事は非線形問題に於ける誤差解析の複雑さを示しており小川の結果(論文[1],[2])はこの様な問題に対する最初のものであった。[1]はEuler法に基づく近似法の有効性について調べたものであるが更に,高次の差分法とDensity Estimationにおけるkernel法による改良結果が小川(論文は執筆中)により得られ,1992年ベルリンにて開催された確率数値解析に関する国際研究集会("Conference on Stochastic Numerics")において招待講演として発表された。 研究補助金は主として、(1)関連部門の研究集会(国外は除く)等への参加(2)関連部門の研究者との研究連絡・研究打ち合せ,に用いられた。またその一部はコンピューター関連の消耗品購入に当てられた。
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