研究概要 |
研究の初年度であるので、観測装置の開発に最大の重点をおいて研究をおこなった。 まず、スペクトロネビュラグラフ(SNG)システムの性能向上のために、スキャンをオートガイド装置により位置精度の向上と自動化を目的として、ガイドCCDカメラを望遠鏡に設置した。これをパーソナルコンピュータにより制御するソフトウェアシステムの開発をおこない、オートガイドは、位置精度±0.2秒用を達成することができた。 つぎに、分光器の操作性向上のために、各種の改良をおこなった。スリットを良質のものに交換し、イメージアクイジニョン用ミラーの着脱方法を改良し、さらに、グレーチングの回転角の表示機構をとりつけた。この結果、分光観測時の操作の頓雑さが大巾に軽減され、観測の効率と精度が向上した。 これらの装置を用いて、テスト的に観測をおこない、スペクトロネビユラグラフシステムのための基本性能が達成されていることを確認した。 観測した天体は、NGC4151,M8,M57である。 データ処理は、すでに取得ずみのオリオン大星雲の観測データの整約を開始した。現在第一次整均の中間段階にある。データの質はあまり良好ででないが、時長域は,入4000日から入10000日までにわたっている。 来年度の予定は、スペクトロネビュラグラフソフトウエアの完成と、これを用いてM8,M57の広域長域観測を実施することである。
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