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1993 年度 実績報告書

重イオン破砕反応のメカニズムと整列したスピン・ストレッチアイソマーの生成

研究課題

研究課題/領域番号 04640287
研究機関東京工業大学

研究代表者

旭 耕一郎  東京工業大学, 理学部, 助教授 (80114354)

研究分担者 武藤 一雄  東京工業大学, 理学部, 助手 (60114899)
足立 實  東京工業大学, 理学部, 助手 (80016112)
キーワード入射核破砕反応 / スピン整列度 / アイソマー生成比 / 関与部-傍観部模型 / 整列不安定核ビーム / 電気四重極モーメント
研究概要

自然に存在しない不安定な原子核をビームの形で得るための強力な手段として近年注目されている高エネルギー入射核破砕反応について、生成核のスピン整列度およびアイソマー生成比の測定を通じてその反応メカニズムの研究とスピン整列不安定核ビームの生成・利用法の開拓を行なうことが、本研究の目的である。平成4年度の測定装置開発・整備および理論的モデルからの予測・検討に基づき、本年度、500MeV/uおよび100MeV/uの二つのエネルギー領域において測定を実施し、上記目的に関わる新しい知見を得た。
1.測定は、まず(1)500MeV/u領域において、入射核^<46>Tiからf_<7/2>軌道の核子を3個はぎ取ってできる^<43>Sc核について行ない、19/2^-アイソマー状態の生成比とこの状態のスピン整列度(この場合ランク2の整列を表すalignment)を決定した。ついで、(2)100MeV/u領域においては、^<18>O核を入射核として、生成核^<14>B、^<15>Bについてスピン整列(ランク1の整列を表すpolarization)を測定するとともに、この整列現象を核四重極モーメントの測定に応用する実験を行なった。
2.これらの測定の結果、以下のような新しい知見が得られた。(1)観測されたスピン・ストレッチアイソマーの生成比は出射運動量に対して強い依存性を示し、反応において入射核内の複数個の核子がその角運動量を最大にする組み方で取り去られると仮定して関与部-傍観部模型から予測され依存性とよく一致することがわかった。(2)このようなアイソマーに対し、スピン整列度(alignment)の運動量依存性も上記模型からの予言と一致している。さらに、(3)100MeV/u領域で得られたpolarizationもこの模型に特徴的な振舞いを示すことがわかり、(1)、(2)と併せて、100-500MeV/u領域での入射核破砕反応がこの比較的単純な模型によって大局的にはよく記述されることが示された。また、この結果はこの型の反応がスピン整列した不安定原子核を生成するために利用できることを示しており、実際これを用いて(4)中性子過剰核^<14>Bおよび^<15>Bの電気四重極モーメントが決定された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Okuno,K.Asahi,et al.: "Polarization in Projectile Fragmentation and g-Factor Measurement for Neutron-rich Nuclei" Hyperfine Interactions. 78. 101-108 (1993)

  • [文献書誌] K.Asahi: "Fragment Spin Polarization and Its Application" Inst.Phys.Conf.Ser.132. 183-192 (1993)

  • [文献書誌] K.Asahi and M.Ishihara: "Spin-polarized Radioactive Beams and Their Applications" RIKEN Reviews. 4. 9-10 (1994)

  • [文献書誌] H.Ueno,K.Asahi,et al.: "Spin-polarized Radioactive Beams and β-NMR Experiments" Hyperfine Interactions. (未定). (1994)

  • [文献書誌] W.-D.Schmidt-Ott,K.Asahi,et al.: "Observation of Spin Alignment of ^<43>Sc Produced in 500 MeV/u ^<46>Ti+Be Fragmentation" GSI Scientific Report 1993. (未定). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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