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1992 年度 実績報告書

モンテ・カルロ法を使ったQCDでのクォーク閉じ込め機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04640289
研究機関金沢大学

研究代表者

鈴木 恒雄  金沢大学, 理学部, 教授 (60019502)

研究分担者 松原 克己  七尾短期大学, 教授 (10209603)
キーワードクォークの閉じ込め / カラーの閉じ込め / モノポール / 格子QCD / モンテ・カルロ,シミュレーション / アーベリアン射影
研究概要

QCDにおけるクォーク閉じ込めの機構の解明はハドロン物理学の研究にとってもっとも重要なテーマである。我々はこれまで、SU(3)のトーラス群U(1)×U(1)のみを残すゲージ固定(abelian projectionと呼ぶ)をすると生じるU(1)×U(1)磁極子(モノポール)が凝縮をおこしてカラー荷電粒子(クォーク、グルオン)を閉じ込めるという考えでモンテ・カルロ法を用いた計算機実験および赤外有効理論の方法によって調べてきた。これまで、予想を支持する有望な結果を得てきたが、今年度の研究の結果でさらに主として以下のようなことが明らかになった。
1.モンテ・カルロ法では、アーベリアンのモノポールがクォークの閉じ込め機構を本質的に担っていることの直接的証拠を得ることを目的に、モノポールによる閉じ込めがわかっているcompact U(1)と比較をしつつ調べた。その結果、abelian projectionした後のSU(2)effective actionはcompact U(1)のような簡単な形ではないこと、連続理論でのモノポール分離と同様にモノポールを含む部分を分離すると、その部分がstring tensionを再現することをみつけ、モノポールのみで閉じ込めが理解できるのではという一つの証拠を得た。
2.SU(2)でクォーク場の入ったQCDでの計算も実行した。その結果、monopole currentの時間-空間成分の差が、クォーク場のないときと同様にたいへん良い閉じ込め-非閉じ込めの秩序パラメーターであることがわかった。クオーク場の存在しているfull QCDでは始めて信頼できる閉じ込めの秩序パラメーターの発見である。
3.昨年9月から2カ月間学術振興会の費用で同様の研究を行っているアムステルダム大学のJ.Smit教授のところに滞在し研究交流するとともに、以上の結果を「Lattice'92」国際集会で発表した。鈴木が"monopoles and confinement"というタイトルで招待講演をし、世界の関連グループの研究をレビューし、学生二人が上記の結果を発表した。またまた帰途モスクワによってITEPに滞在しPolikarpovたちと研究交流をしてきた。
4.本年1月に京都大学基礎物理学研究所で研究会「カラーの閉じ込め機構」を鈴木が主催し、それに松原、学生が参加をして、研究発表と交流をした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Monden: "Finite Temperature Phase Transition in a Dual Abelian Effective Theory of QCD" Phys.Letters.294B. 100-105 (1992)

  • [文献書誌] S.Kamizawa: "A Static Baryon in a Dual Abelian Effective Theory of QCD" Nucl.Phys.B389. 563-573 (1993)

  • [文献書誌] S.Ohno: "Can Monopoles alone reproduce the string tension also in SU(2) lattice QCD?" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.). 30. (1993)

  • [文献書誌] S.Kitahara: "An order parameter of the confinement-deconfiuement transition in the preseuce of dynamical fermious" Nucl.Phyo.B(Proc.Suppl.). 30. (1993)

  • [文献書誌] T.Suzuki: "Monopoles and Confinement" Nucl.Phyo.B(Proc.Suppl.). 30. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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