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1993 年度 実績報告書

対称性のダイナミカルな破れと大統一理論

研究課題

研究課題/領域番号 04640292
研究機関京都大学

研究代表者

九後 太一  京都大学, 理学部, 教授 (00115833)

キーワードSchwinger-Dyson方程式 / Bethe-Salpeter方程式 / ゲージ不変性 / Improved Ladder近似 / 大統一理論 / E_6対称性 / heavy quark
研究概要

今年度の研究実績は次の三項である。
1.系が外部ゲージ場と結合している場合、bound-statesやcurrent vertexの非摂動的近似的取り扱い法が外部ゲージ不変性を満たすかどうかは自明な問題ではない。我々は、Schwinger-Dyson方程式およびBethe-Salpeter方程式を用いる場合、このゲージ不変性を満たすためにはそれらの方程式の近似法の間にconsistencyが必要であることを指摘し、ゲージ不変性を満たす系統的方法を明らかにした。これは同時に、例えば、π_0→2_γ崩壊などで、ゲージ不変性とアノマリーから従う低エネルギー定理と無矛盾な崩壊振幅を得る方法も明らかにしている。
2.我々は先に、QCDにおいてImproved Ladder近似が、πの崩壊定数f_π、クォーク-反クォーク場の真空期待値〈ψψ〉、さらにρやA_1等のメソンの質量、崩壊定数などに対して、極めて良い値を与えることを示した。今回は同じImproved Ladder近似をHeavy Quarkメソンに適用して、heavy quark極限での普遍的構造関数-Isgur-Wise関数-を計算した。我々の計算では、前方での勾配-slope parameter-が他の計算より大きくなり、その結果CKM行列の要素V_<cb>がこれまでより数%大きく予言される。
3.E_6大統一理論での対称性のダイナミカルな自発的破れを調べるべく、1 generationのフェルミオンで一般の4-fermi相互作用を持つモデルを議論した。その結果、二つの4-fermi相互作用の大小関係に応じて、E_6対称性は、F_4あるいはSp(8)or G_2 or SU(3)のどちらかに崩壊することが明らかになった。どちらの場合もフェルミオンは全てmassiveとなるので、このままでは現実的な大統一理論のモデルにはならないが、これを回避してSO(10)やSU(3)×SU(2)×U(1)等の望ましいカイラル部分群に破るための可能性も議論した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Bando: "Improving the Effective Potential:Multi-Mass-Scale Case" Prog.Theor.Phys.90. 405-417 (1993)

  • [文献書誌] M.Harada: "Proving the Low Energy Theorem of Hidden Local Symmetry" Phys.Rev.Lett.71. 1299-1302 (1993)

  • [文献書誌] M.Harada: "Low Energy Theorems of the Hidden Local Symmetries" Prog.Theor.Phys.91(掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] T.Kugo: "Isgur-Wise Function From Bethe-Salpeter Amplitude" Prog.Theor.Phys.91(掲載予定). (1994)

  • [文献書誌] M.Bando: "External Gauge Invariance and Anomaly in BS Vertices and Boundstates" Prog.Theor.Phys.91(掲載予定). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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