研究課題/領域番号 |
04640318
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
熊谷 健一 北海道大学, 理学部, 助教授 (70029560)
|
研究分担者 |
大川 房義 北海道大学, 理学部, 助教授 (00107442)
藤原 賢二 北海道大学, 理学部, 助手 (50238630)
|
キーワード | 核磁気共鳴 / 中間子スピン回転 / 高温超伝導体 / 構造相転移 |
研究概要 |
La_<2-×>Ba_×CuO_4 系では x=0.12 付近で低温において構造相転移が起こり超伝導が消失する。この構造相転移にともなう局所的な結晶の対称性の変化により電子状態が大きく変化し、多くの物性異常がみられる。局所的構造の変化によって電子系の局在化し、LTT相で磁気秩序状態が実現される可能性がある。本研究では、ミクロな実験手段であるNMR、NQR、およびμSR実験を用いて、この系での局所的構造変化と磁性の相関を調べた。 La-BaおよびLa-Sr系でのmuonスピンasymmetry parameterの温度変化および緩和関数の振動を観測し、40K付近でCuモーメントの磁気オーダーにより内部磁場が出現したことを実験的に明らかにした。また、零磁場Cu-NMR信号が80MHzの高周波まで観測され、LTT相でのCuモーメントの磁気オーダーを示している。磁気転移温度は構造転移温度より低温でおこり、Ba濃度によって変化している。磁気秩序はLTT相のみで観測され、構造相転移との強い相関がみられた。 この様に本研究では、低温正方相への構造相転移による電子系の局在が低温での磁気秩序状態を引き起こし、超伝導を抑制することを明らかにした。
|