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1992 年度 実績報告書

強誘電体薄膜およびナノクリスタルの構造相転移機構

研究課題

研究課題/領域番号 04640331
研究機関信州大学

研究代表者

武田 三男  信州大学, 教養部, 助教授 (20115653)

研究分担者 三輪 浩  信州大学, 教養部, 教授 (70028108)
笹根 昭伸  信州大学, 理学部, 助教授 (10020679)
キーワード強誘電体 / 薄膜 / ナノクリスタル / 相転移 / 赤外分光
研究概要

(1)WO3の単結晶薄膜は真空蒸着法により作製した。
(2)基板温度(Ts)により結晶多形が育成される。電子顕微鏡観察および電子線回折により,Ts=350℃以下では酸素欠陥の入らないWO3が,350〜450℃の間では酸素欠陥による結晶せん断面をもつWO2.8が,450℃以上ではWO2.72が成長することを見出した。
(3)赤外フーリエ変換分光計により透過スペクトルを測定した。 基板温度350Cで育成したWO3試料の赤外吸収スペクトルの膜厚(t)依存性では,t=50nmでは550〜950cm^<-1>と150〜400cm^<-1>にかけて格子振動による強い吸収バンドがみられる。この各振動数はバルク結晶の報告とよい一致をみた。
(4)t=20nm以下の試料では400cm^<-1>以下の吸収ピーク位置がかなり変化することから,結晶構造の対称性の変化が示唆される。電子線回折によればt=10nm以上ではひずんだReO3構造の単斜晶系をとり,10nm以下では正方晶もしくは立方晶系をとる可能性が高い。
(5)基板温度420℃および440℃で育成したWO2.72試料の赤外吸収スペクトルではWO3と同様に1000cm^<-1>以上と500cm^<-1>周辺の波数領域に吸収がないことから結晶構造は基本的には似ているが,個々の振動数が異なることから対称性は全く異なるものと考えられる。
(7)膜厚を薄くしていっても吸収強度が減少するのみで振動数の変化はみられないことから,WO2.72では膜厚10nm以上では対称性の変化は起こらないと推測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.WADA,Y.Yamashita,A.Sawada & Y.Ishibashi: "Ferroelectric Phase Transition in Li_<2-x>Na_xGe_4O_9" Journal of The Physical Society of Japan. 62. 14-17 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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