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ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)を用いた超高圧下メスバウアー分光は超高圧下での物性を調べる有力な手段であり、我々は今まで純鉄の高圧相ε-Feやα-Fe_2O_3などの鉄酸化物、SrFeO_3等のペロブスカイト型酸化物を試料として最高80GPaの超高圧下での室温測定を行い報告してきた。DACを用いた超高圧発生では非常に高い圧力を得ることができるが、試料は極微少量に制限されるため、測定最適化が必要である。我々はその為の最適測定条件を開発し室温測定を主に行い、CaFeO_3での圧力誘起低スピン転移、α-Fe_2O_3での新しい高圧相の出現、SrFeO_3では18GPaの圧力でネール温度が室温にまで上昇することを発見した。本年度は現有設備である液体ヘリウム・クライオスタット内に現有ステンレス製のDACを装着して極低温での測定及び4.2K〜300Kの温度範囲での測定をめざす、と同時に良く制御された試料を用いて質の良い室温スペクトルの測定をも継続して行った。特に、SrFeO_344GPaでのSR光核励起前方散乱実験に成功したこと。Bサイト欠陥の濃度の異なるFe_<3(1-x)>O_4試料を調整し、室温測定を80GPaの高圧下で行い、29GPa以上で出現するマグネタイト高圧相は室温非磁性であり、2種類のFeサイトが存在することなどを明らかにすることができた。又、化学当量比に最も近いFe_<0.977>O試料を用いて詳細な室温測定を行い8GPaでネール温度が室温まで上昇すること、Fe核位置超微細場は48Tにまで圧力上昇に伴って増加することを初めて見つけだした。これらの成果は国際会議で発表すると同時に論文として公表した。
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