研究課題/領域番号 |
04640340
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 博保 大阪大学, 教養部, 助教授 (60116069)
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研究分担者 |
藤井 研一 大阪大学, 教養部, 助手 (10189988)
大山 忠司 大阪大学, 教養部, 教授 (40029715)
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キーワード | 電子正孔プラズマ / 半導体 / 輸送現象 / 拡散 |
研究概要 |
シリコン等の半導体を光で強励起すると電子正孔プラズマが生成される。試料表面で生成された電子正孔プラズマは高速で試料内に拡散していく。この拡散の機構について2つの模型が提唱されているが、どちらが現象の原因となっているのか結論がでていない。2つの模型とはフォノン風モデルとキャリヤ間相互作用モデルである。 我々はGaAsを強励起して電子正孔プラズマからの発光を測定するという方法により、2つのモデルを実験的に試そうと考えた。その結果、フォノン風のモデルでかなり説明できそうなことが明らかとなった。一方論争となっていたシリコン中のプラズマについては、現有の装置では十分なS/N比が得られず、かなり装置の改良が必要である。赤外域におけるフォトンカウンティングの導入等が考えられる。購入した分光器は明るいため赤外域の分光に適している。 一方ゲルマニウムを表面励起して遠赤外吸収を観測すると、2K以上の温度で吸収が観測される。この信号はかなり速く拡散することがわかっており、電子正孔プラズマによるものと思われる。この信号はキャリヤ同志の散乱を直接反映するものであり、今後遠赤外吸収を中心に研究を進めていきたい。 ゲルマニウムに対してはフォトルミネッセンスが強く観測されているので遠赤外の吸収とフォトルミネッセンスを組み合わせた。光検知プラズマ共鳴を遠赤外域で行う予定で実験準備を進めている。 一方GaAs/AlAsタイプII超格子では電子と正孔が空間的に分離しており、バルク試料で観測される電子正孔プラズマと比較すれば、電子-正孔相互作用の拡散に対する寄与が評価できると期待される。
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