研究概要 |
今年度の研究概要は次の通りである。 (1)測定システムについて、研究代表者は文部省在外研究員として,7月1日より1ヵ月半コロラド州立大学のLeisure教授の研究室に滞在し共同研究を通じて、システムの詳細にわたってノウハウを会得した。その際、ロスアラモス研究所にも行き、システムの改善点について教示を得、また、弾性率の決定精度を左右する真方体試料の切断・成形の実際の手順を見学した。 (2)シンセサイザーが9月に納入されたので、現在システムを分担者により手分けして製作を行なっている。自動測定のためのパソコンと機器間のインターフェイスはほぼ完了しているが、ヘッド部に少し検討すべき点があり、現在改良中である。即ち、固有振動励起部において、振動子自体の振動と試料の固有振動しを区別できるようにする工夫が必要である。米国のグループでは、音速の速い物質(ダイヤモンド)を振動子につけて、固有振動をずらせていた。しかし、ダイヤモンドは高価であるので、Q値の低いセラミック系の振動子(PZT)を用いることで解決を図りつつある。 (3)一方、岡山大学の地学研究のグループでも同様な方法で測定がなされていることを知り、おもむいて情報交換と教示を得た。同グループでは、直方体ではなく球体の試料で測定しており、その利点、不利点について議論した。 (4)測定試料のCsPbl_3について、NMRの結果を国際会議(Int.Conf.on Defects in Insulating Materials,August 1992,Germany)で報告した。
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