研究課題/領域番号 |
04640348
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武田 信一 九州大学, 教養部, 教授 (10111733)
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研究分担者 |
上地 哲雄 九州大学, 教養部, 助教授 (80038463)
乾 雅祝 九州大学, 教養部, 助手 (40213136)
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キーワード | 液体金属,合金 / 構造 / 相転移 / 二相分離 / ダイナミックス / 溶融塩 / 超音波 / イオン性液体 |
研究概要 |
二相分離領域を有する液体合金系の一相領域の熱力学的性質や動的性質に関する知見を得る必要があったため液体Bi-Ga合金系に関する超音波音速吸収測定、γ線を用いた密度測定及び中性子線回折実験を優先して行った。二相分離領域を有する組成領域では特に臨界組成を境として大きく構造が変化する事から、液相で一相に混じっていても臨界組成を中心として構造転移を示唆する結果を得た。またこの組成領域では臨界点近傍で揺らぎに伴って音波吸収も大きくなるなど動的性質に関しても興味ある知見を得た。これらの結果はJ.Phys.Soc.Jpn.61(1992)や液体金属国際会議(LAM 8)に発表されている。 当初Ag-AgI金属-溶融塩混合系について金属-非金属転移に伴う電子的性質や、構造、ダイナミックスを予定していたが、Agが10%程度までは800℃で混合しているようであるがそれ以上のAgの混合は困難なので、溶融塩CuCl-CuBr混合系及びAgCl-AgI混合系についてイオン性と共有結合性の観点から組成を変える事により構造、熱力学的性質及びダイナミックスがどの様に変化して行くかを調べた。CuCl-CuBr溶融塩混合系については超音波音速吸収測定、γ線を用いた密度測定及び中性子線回折実験を行った。これらの結果から共有性の度合いが強いCuBr側でモル体積が直線的組成依存性から大きく正にずれる事や、液体中でのクラスター形成、及び動的性質について興味ある結果を得た。これらの結果については液体金属国際会議(LAM 8)に発表してきたし、J.Non-Cryst.Solids(1993)に掲載予定である。今後この系についてEXAFS測定を行い、部分構造に関する詳細を調べると共に、この系の動的性質の詳細な知見を深めるため、設備備品として購入した2位相ロックインアンプを用いて目下、交流伝導度を測定中である。 AgCl-AgI溶融塩混合系についても中性子線回折実験により構造測定を行った結果AgIの濃度の多い方で低角側にクラスター形成を示唆するプレピークが現れ、四面体配位を基本とする構造が示唆されるが、目下検討中である。これについてもEXAFS測定を行い、部分構造に関する詳細を得ると共に、超音波音速吸収測定、交流伝導度測定を行い、イオン性と共有結合性などの結合状態とクラスター形成等に関する知見を整理して行く予定である。
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