• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

^3Heの固体・液体界面におけるフォノン伝幡の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04640362
研究機関東京工業大学

研究代表者

松本 宏一  東京工業大学, 理学部, 助手 (10219496)

研究分担者 奥田 雄一  東京工業大学, 理学部, 助教授 (50135670)
キーワードヘリウム3 / 超音波
研究概要

前年度までの研究により、試料であるヘリウム3の固体を生成する耐圧試料セルの設計、製作を行った。このセルはヘリウムに超音波を入射、検出するトランスジューサを設けられるように設計されている。また、超音波を発生、観測する電気回路系の整備も行った。このシステムを用いて、まず液体ヘリウム3中の超音波吸収の観測を行った。その結果、液体ヘリウム3を約2mKに冷却し、この温度領域における音波のモードのうち縦波第ゼロ音波の観測を400MHzの高周波において初めて観測することができた。この高周波数における第ゼロ音波の観測は他に例がない。この観測により液体中の第ゼロ音波はこの周波数においても低周波の実験や理論から予測されるような吸収を生じることが判った。しかし、低温領域においては理論的に予想されてはいたが、従来の実験では見つからなかった機構であるゼロ音波の準粒子による量子力学的散乱による吸収効果が現れており、これは新しい発見である。
その実験の中で標記の研究を遂行する上で次の2点が問題点として明らかになった。第1点は観測に使用する超音波の周波数400MHzが、当初計画に挙げていた縦横両モードの超音波の^3He固液界面の伝播を調べるためには少し高すぎて適当でないことである。そこで超音波の周波数を250MHzに下げるように測定回路系を改良した。もう一点は良質の固体ヘリウムの結晶を安定に育成することがかなりの困難が伴うことである。これは、生成した結晶の方位を特定することが難しいことや、結晶の質が安定しないため再現性のよい測定が困難であるといった問題であり、現在安定して結晶を生成する技術を確立するように研究を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Koichi Matsumoto,Toru Ikegami,Koichi Karaki and Yuichi Okuda: "Observation of quantum limit of zero sound absorption in normal ^3He at 400MHz" Physica B.(Accepted).

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi