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1992 年度 実績報告書

超低速陽電子の原子分子による散乱

研究課題

研究課題/領域番号 04640388
研究機関山口大学

研究代表者

末岡 修  山口大学, 工学部, 教授 (00012378)

研究分担者 浜田 亮  山口短期大学, 電子情報学科, 講師 (20241218)
キーワード陽電子 / 低エネルギービーム / 電子-気体散乱 / 全断面積 / 陽電子-原子分子衝突
研究概要

低エネルギーe^+ビームの発生できる装置を作り,気体散乱実験を行った。低速e^+およびe^‐ビームの実験として肝心なことはビームを運ぶのに用いるソレノイド磁場をできる限り弱くしてもビーム実験が可能なようにすることである。長時間連続使用に耐えるようにすべての自動化と安定化を計る必要がある。既存の全断面積測定装置に大幅な改造を行い0.3±0.1eVの測定ができた。これはstein達がHeで実験した以外は全く行われておらず低速e^+ビームの世界記録である。
この装置によりN_2,CO,CO_2の3種の気体について低エネルギー(0.3‐10eV)e^+ビームの全断面積の測定をした。かなり長い測定時間を使い努力したにもかかわらずビーム強度不足の為に,十分な測定精度は得られなかった。特に,0.3‐0.4eVでは十分な精度は得られなかった。結果の大切な点は1eVのすぐ下から急に立ち上がるのではなくもっと低いエネルギーから断面積は増加する。また最近のR‐matrix理論との関連は何とも言えない(J.Phys.Soc.Japanに投稿中)。
e^+およびe^‐のH_2気体散乱の全断面積が極低エネルギーを含む広いエネルギー域で測定された(0.3‐400eV)。低エネルギーでN_2の場合と同様に0.6‐1.0eV域では全断面積の増加は見られずもっと低エネルギーでの増加を示し,最近の理論に合う傾向を示した。また,ベンゼンC_6H_6およびO_2気体についても低速域で同様な測定が行われた。これらの一部分は発表済みである。
気体散乱実験に適した10^<‐6>Torr域での透過型輝度増加法(BE法)が追求され,ポジティブな結果が最近得られた。すなわち,超低速(0.1eV以下も可能)で空間的にも0.1mmφ以下の極めて細いe^+ビームである散乱実験用に理想的なビームが得られる可能性ができた。その応用についての実験計画が進行中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] O.Sueoka and A.Hamada: "Total cross section measurements for e^+ and e^- scattering on H2 molecules" Atomic Collision Research in Japan. 18. 16-17 (1992)

  • [文献書誌] O.Sueoka and A.Hamada: "Total cross section measurements for 0.3-12 eV positrons on benzene molecules" Atomic Collision Research in Japan. 18. 18-19 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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