1992年度には、1992年7月18日のMJ6.9の三陸沖地震が、時定数約1日の、M7.7に対応するモーメントを解放する超スロー・アースクエイクであることを明らかにした。同時に、国立天文台水沢観測センターの江刺のボアホール歪計や、防災科学技術研の八郷のボアホール伸縮計記録から、1989年11月2日のMJ7.1三陸沖地震が、1992年の地震を上回る大スロー・アースクエイクである可能性を示唆した。筆者が解析した記録ではS/Nが悪かったが、1993年の秋の地震学会では、東北大学の三浦・他によって、1989年の三陸沖地震が、1992年の地震を上回る、時定数約5日、M8に匹敵する巨大超スロー・アースクエイクであることを明瞭に示す解析結果が発表され、我々の示唆の正しさが裏づけられた。 1993年度には、防災科学技術研のデータを中心に、1992年7月の記録を解析した所、1992年の三陸沖の超スロー・アースクエイクが発生したのと同時期に、関東一円で地殻変動同時異常があり、南関東直下深さ約100kmで、サイレント・アースクエイクが発生していた可能性があることが分かった。これについては、現在も解析が進行中である。
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