研究概要 |
Cavity Resonance法ー圧力媒質の流体を満たした球状キャビティの中心に球状試料を置き,試料-流体の球殻-キャビティ・コンテナの系の共振の測定から,試料の弾性率とその圧力変化を求める新しい方法ーの開発を進めてきた.鋼球(ボールベアリング)をテスト試料としてガス圧による実験を行い,次の知見を得た: 1.Heガスの圧力下で少なくとも110MPa(1.1kb)まで,トロイダル・モードのみならずスフェロイダル・モードも測定できることが確かめられた.より高圧での測定の見込みも十分もっている. 2.トロイダル・モードOT2,OT3,OT4の周波数の圧力変化率(1/f_o)(∂f/∂P)=9.8±1.2 GPa^<-1>から剛性率の圧力匂配∂μ/∂P=1.7±0.2というもっともらしい値が得られた.スフェロイダル・モードでは(1/f_o)(∂f/∂P)=14.2GPa^<-1>(1S1),11.2GPa^<-1>(1S2)が得られた.これから,試料-ガスの結合を考慮して体積弾性率の圧力匂配∂K/∂Pを求める解析を現在行っているが,仮にこの結合を無視すると∂K/∂P=9.9(1S1), 5.3(1S2)となる. 3.キャビティを水(常圧)で満たしても,トロイダルだけでなくスフェロイダル・モードもが検出されることがわかった.このことは,より高いガス圧,あるいは液圧下での測定の可能性を示唆している. 以上の知見は,以下の学会で口頭発表する:1.大野一郎・西武照雄・花山洋一・木村正樹・鈴木功・小田仁・熊沢峰夫・Cavity resonance法による弾性率の圧力匂配測定,地球惑星科学関連学会1993年合同学会,B22‐05 2.I.Ohno,Y.Hanayama,M.Kimura,I.Suzuki,H.Oda and M.Kumazawa,Pressure derivatives of iron by cavity resonance method,Joint AIRAPT/APS Conference,Colorado,1993.
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