研究概要 |
流体圧下の共振法-Cavity Rsonance法-の開発と応用に関して、以下の研究を行った。 1.ガス圧下の実験と弾性率の圧力勾配 前年度とは,振動子をキャビティの外部→内部に入れ試料と直接接するようにするなど,共振測定装置のアセンブリーを変えて,0.1GPaまでのガス圧下の実験を行った。試料は前と同じ鋼球である。その結果,3つのトロイダル・モード,3つのスフェロイダル・モードについてばらつきのより少ない周波数の圧力依存性が測定され,剛性率,体積弾性率の圧力勾配dG/dp=1.80±0.03,dKs/dp=4.27±0.27が得られた。これは,前年度のdG/dp=1.76±0.20,dKs/dp=5.4±0.5に比べて精度が向上した。 2.FT法による新しいデータ収録システム ディジタイジング・オシロスコープTDS420(Tektronix)を導入して,FT法(Suzuki et al.1993)-パルス入力に対する応答波形をディジタル収録し,それをフーリエ変換してスペクトルを得る方法-によるデータ収録システムを確立した。まだ改善すべき点が残されているものの,FT法でもほとんどのモードが検出できる。 3.高温高圧焼結試料への応用 愛媛大学・理・入船徹男助教授らにより高温高圧下で合成・焼結されたパイロープ多結晶体を球に整形し,常温常圧での弾性率を決めた。空隙率の異なる試料をいくつか用意し,空隙率→0に外挿すれば,多結晶体からでも正しい弾性率が得られることがわかった。
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