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1992 年度 実績報告書

大循環モデルを使った準2年振動(QBO)の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04640410
研究機関東京大学

研究代表者

高橋 正明  東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (70188051)

キーワードQBO / 大気大循環モデル / 2次元 / 成層圏 / 重力波 / 早い周期 / 鉛直運動量フラックス / Wallance-Kousky波
研究概要

3次元・大気大循環モデルの初期versionを,2次元の大気大循環モデルに変更した。このモデルを成層圏まで拡張して赤道下部成層圏の準2年振動(QBO)の再現実験を試みた。大循環モデルをそのまま使っているのだから,放射スキーム・積雲対流のパラメータ等はすべて3次元の大循環モデルと同じである。東西には幾分粗いモデルを使用した。但し鉛直には十分に分解能を上げないとQBOを再現できないことは過去の仕事から理解されるので,鉛直には45層の高分解能にした。
下部境界条件は赤道を想定しているので熱帯の標準的温度として300Kの海洋を仮定した。また赤道2次元ということで回転は入っていない。そのために成層圏の波のmodeとしては重力波しか存在しない。これは実際の3次元の大気の状況と非常に異なる。しかし最近の研究によると,重力波の重要性が指摘されているのでこの実験は有用である。
結果の要旨は以下の通り。振動の周期は非常に早く,100日程度の周期をもつ。振幅はQBOの2倍の大きさになっている。重力波の東西風の振幅は約50ms^<-1>で,波の周期は下部成層圏で6日程度である。強い波の振幅はモデルの2次元性によると考えられる。卓越波数は1でこのとき位相速度はWallance-Kousky波に比べ2倍くらい早い。波に伴う鉛直運動量フラックスはQBOの3次元力学モデルにおけるものの,2(位相速度ファクター)×2.5(振幅ファクター)×2.5=2×6.25倍程度大きい。振動の大きさがQBOの2倍程度大きいことを考慮すると6.25という振幅の2乗のファクターは早い振動の周期を説明することができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takahashi,M and B.A.Boville: "A three-dimensional simulation of the equatorial quasi-biennial oscillation." J.Atmos.Sci.49. 1020-1035 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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