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1992 年度 実績報告書

TMモードENDOR法の高感度化と生体試料への展開

研究課題

研究課題/領域番号 04640443
研究機関京都大学

研究代表者

山内 淳  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10027071)

研究分担者 原 秀元  (株)マイクロデバイス, 代表取締役
杉本 豊成  京都大学, 工学部, 助教授 (30093256)
キーワードENDOR Tmモードキャティ / TMモードキャビティ / テトラメチルイミダゾリン / 酸化窒素ラジカル / TRIPLE
研究概要

まず、設備・備品に関して、特殊技術で100KH_Z磁場変調コイルを装着したMSC-10TMモードキャビテイが本年度に納入された。その後、順調に調整が進み、新しい100KH_Z-ENDORの高感度化の見通しがたち、まもなく新規なデータが取れる運びとなった。
本年度は主として、80H_Z磁場変調のTMモードENDORの高感度化を実証する測定実験を実行してきた。とくに、テトラメチルイミダゾリン-1-オキシルの2位にピリジン等の置換基を持つものは、窒素のENDOR測定によって、大小2種類の超微細結合定数が簡単に決定できることがわかった。この初報告は『磁気共鳴と医学』4巻に掲載される。また、テトラメチルイミダゾリン-1,3-オキシルは一酸化窒素(NO)と反応するが、生化学の分野でも酸素脱離反応として脚光を浴びている。この物の2-メチル体はモデル化合物として重要であるので、特別に合成してENDOR測定にも成功し、今年の日本化学会春季年会で発表する。この他、TMPO系ラジカルに長鎖状チアフルバレン(TTF)を有する中性ラジカルやカチオンラジカルを合成して、ENDOR測定を試みた。これらについては数度の口頭発表を行っている。
装置面での反省点としては、ESRのマイクロ波発振部位の完全シールドと第3種アースの設営が校費支出に頼らねばならないため、結果として本年度には完了に至らなかった。もう一つはマグネットの老朽化のため、磁場の安定度が劣化傾向にある上に、磁場コントロール装置の作動調整にかなりの手間がかかり、終日、定常磁場を保持することができず、三重共鳴などの特殊な測定が実行できなかった。
いずれにしても、上述の如く新規なデータが数多く集積されており、従来のENDORでは困難と見られていたものも、我々のENDORでは十分に検出でき、次年度の生体試料への試みに明るい展望がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Sugimoto et al.: "Biradical Character of a Closed-Shell Heteroaromatic Quinone" J.Amer.Chem.Soc.114. 1893-1895 (1992)

  • [文献書誌] K.Yoshizawa et al.: "Electron Spin Resonance of the Quartet States of 1,3,5-Tris(diphenylamino)benzene" Chem.Lett.369-372 (1992)

  • [文献書誌] K.Yoshizawa et al: "ESR of the Cationic Triradical of 1,3,5-Tris(diphenylamino)benzene" J.Amer.Chem.Soc.114. 5994-5998 (1992)

  • [文献書誌] J.Yamauchi et al: "Formation of free radicols in Photoirradiated cellulose nitrate.Observation of nitroxide species in the degradation processes." Makromol.Chem.Rapid Commin.14. 13-16 (1993)

  • [文献書誌] 藤田 英夫 他: "4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-1-オキシルの^1H-および^<14>N-ENDORスペクトルとその電子状態" 磁気共鳴と医学. 001-007 (1993)

  • [文献書誌] T.Sugimoto et al.: "Ferromagnetic Interaction in Organic Radical Ion Salts" Mol.Cryst.Liq.Cryst.001-018 (1993)

  • [文献書誌] 大矢 博昭・山内 淳 編著: "素材のESR評価法" アイピーシー, 502 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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