研究概要 |
平成5年度では前年度に購入したデュアルリニアイメージセンサーを現有のピコ秒レーザーホトリシスシステムに組み込み,ピコ秒レーザーシステムにおけるモニター光の不安定性を改良し,測定の簡便化とともに精度の向上を計った。研究課題の実績としては次の結果を得た。 1.トリエチルアミンを含む種々の溶媒中において9,10-ジブロムアントラセンの光励起により生成するエキシプレクッスやフリーラジカルを見いだし,反応機構および媒体の影響について論じた。(chem.Phys.Lett.,209,367(1993)). 2.9-ブロムアントラセンや9,10-ジブロムアントラセンの最低励起三重項生成生成に対する温度効果を検討し,三重項生成過程には,最低励起一重項状態からエネルギー的に少し高いところにある高励起三重項状態を経て生成するばかりでなく直接最低励起三重項状態を生成する過程も存在することを見いだした。(J.Photochem.Photobiol.A,74,7(1993)). 3.ベルゾフェノンと2,5-ジメチルヘキサ-2,4-ジエンとの基底状態錯体を直接光励起することにより電子移動により生成したイオン対あるいは励起錯体の吸収がピコ秒オーダーで生成減衰することをみいだした。(Chem Phys.Lett.,215,622(1993)).
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