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1992 年度 実績報告書

電荷分離型両親媒性イオンを構成成分とする界面活性剤の溶液物性

研究課題

研究課題/領域番号 04640454
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐竹 巌  鹿児島大学, 理学部, 教授 (90037193)

研究分担者 前田 環  鹿児島大学, 理学部, 助教授 (30041247)
キーワード界面活性剤 / 電荷分離型イオン / ミセル物性 / 臨界ミセル濃度 / 対イオン結合度 / ミセル会合数 / 界面活性剤イオン活量
研究概要

研究実施計画に基き,電荷分離型イオンを含む界面活性剤として,α,ω-アルカンジアンモニウム イオン(炭素鎖長n=4,5,6)を対イオンとするアルキル硫酸塩(炭素鎖長m=10,12)を合成し,そのミセル物性を電気伝導度法,ケイ光プローブ法,活性剤イオン電極法を用いて研究し,以下の知見を得た。
1.臨界ミセル濃度(CMC)は2価金属イオンを対イオンとするアルキル硫酸塩よりも低く,m=10,12いずれの系においても,対イオン炭素鎖長の増大とともに規則的に低下する。また,同一のnにおけるCMCのm依存性は,単純な1-1型活性剤よりも大である。
2.電気伝導度ならびに活性剤イオン活量の測定より,対イオン結合度(β)を決定した。m=12の系ではβの値は対イオン鎖長に関係なくほぼ1であり,事実上中性のミセルが形成される事を見出した。一方,m=10の系ではβの値は1より小さく,通常のイオン性ミセルとして挙動する。βならびにCMCのn依存性より求められる,対イオンのメチレン基あたりの水相からミセル相への移動自由エネルギーは,通常の1-1型活性剤の約半分であり,対イオンの炭素鎖もミセルコアとの疎水性相互作用に一部寄与している事を明らかにした。
3.ケイ光プローブ法より求められるミセル内極性は通常の1-1型活性剤のそれに近い。しかし,ミセル会合数は2価金属イオンを対イオンとする系の倍近くであり,ミセル構造がこれらの系とは幾分異なる事を示した。
なお,関連した系として,ω位に水酸基を有する各種鎖長の有機イオンを対イオンとするドデカンスルホン酸塩についても研究を行い,CMC,β,会合数等の基本的ミセル物性量を決定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iwao Satake: "The Micellar Properties of a α,ω-Alkanediammonium Bis(dodecyl sulfate)in Aqueous Solutions" Bulletin of the Chemical Society of Japan.

  • [文献書誌] Iwao Satake: "Effect of Surfactant Ion Chain Length on the Micellar Properties of α,ω-Alkanediammonium Bis(alkyl sulfate)" Bulletin of the Chemical Society of Japan.

  • [文献書誌] Tamaki Maeda: "Micelles of ω-Hydroxyalkyltrimethylammonium Dodecanesulfonate:Effect of Counter Ion Chain Length" Bulletin of the Chemical Society of Japan.

  • [文献書誌] Tamaki Maeda: "Micelles of ω-Hydroxydecyltrimethylammonium Dodecanesulfonate:Effect of Counter Ion Concention" Bulletin of the Chemical Society of Japan.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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