1)測定手法及び測定条件の確立のため、既に報告されている実験の追試の目的で、よう化メチル、よう化メチルのD化物の光解離時の発光スペクトルの測定を行った。 2)よう化メチルのA吸収帯における発光励起スペクトルの測定を行った。その結果A吸収帯を構成する3つの電子状態^3Q_1、^3Q_0、^1Q_1のうち^3Q_0が発光スペクトルに寄与していることを明らかにした。 3)亜酸化窒素において、N_2O→N_2+Oに伴う倍音系列スペクトルを観測し、亜酸化窒素の光解離ダイナミクスに関する初めての知見を得ることに成功した。 4)よう化水素の発光励起スペクトルを測定し、基音スペクトルを測定した。 5)紫外に直接解離の吸収帯をもつその他約10種類の試料において、解離したラジカルによる発光などの問題により、光解離時の発光スペクトルが著しく困難であることがわかった。 6)分子線中における発光スペクトルの測定システムを完成させた。また実際に試料としてよう化メチルを用い、光解離時のスペクトル測定に成功した。ただしクラスターからの蛍光が強いため、定量的な結果を得るためにはS/N比の向上が必要である。
|