研究概要 |
1.振電相互作用の影響が回転スペクトル上に興味深い姿で現れることで知られるCCOラジカルを取り上げ、その基底状態からA^3П_i(010)への電子遷移スペクトルを調べた。これまでにA^3П_i(010)のうちのA(010)^3Σ^<(+)>およびA(010)^3Σ^<(-)>への遷移に対応するバンドの詳しい解析を行い、CCOラジカルのA^3П_i(010)状態の精密な分子定数を決定し、またA(010)^3Σ状態での摂動の様子を明らかにした。 A(010)^3Σ^<(±)>レベルへの遷移に対応するバンドのスペクトル線の帰属を詳しく正確に行ったこと、並びに、A(010)^3Σ^<(±)>状態の回転レベルはレナー・テラー効果を取り込んだハミルトニアン行列を用いて精度よく再現できることを確認できたことは重要な成果と云えよう。 2.AlOラジカルは電子励起状態が〜5400cm^<-1>と低いところに存在するがゆえに化学反応において重要であるとともに、スピン-回転相互作用定数が強い振動依存性を示すことで分光学的にも興味深いラジカルである。Al金属を電極に用いてHeを添加したO_2中で放電することによりAlOラジカルを生成しA^2П_<3/2>,v=3←X^2Σ^+,v=0遷移の近赤外ダイオードレーザー分光を行い、A^2П_<3/2>,v=3状態の分子定数を新たに決定した。
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