研究課題/領域番号 |
04640471
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐藤 博保 三重大学, 工学部, 教授 (20029440)
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研究分担者 |
小林 誠 三重大学, 工学部(現フジ電気総合研究所研究員), 助手 (10215361)
西尾 悟 三重大学, 工学部, 助手 (40252340)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | レーザー / アブレーション / 分子ビーム / クラスター / クラスター内反応 / 金属イオン / 混合クラスター |
研究概要 |
真空中においた金属表面上にパルスレーザー光を集光して金属イオン(M^+)を生成させ、その近傍に噴出した分子ビーム中の分子またはクラスターと反応させて、生成物イオンを質量スペクトルで検出する「レーザーアブレーション・分子ビーム法」(LAMB法)を開発してきた。今年度はアンモニア・メタノールなどの二成分混合クラスターを分子ビーム中に用いて、その反応性を明らかにした。 NH_3:CH_3OHが60:1である条件下で金属イオンと混合クラスターを反応させた結果、錯体イオンM^+(NH_3)_m(CH_3OH)_nを検出した。Mg^+の場合、n=0.1の系列ではm+n=3と4との間に信号強度ギャップがみられる。以前に報告したMg^+(NH_3)_mではm=3と4の間に、Mg^+(CH_3OH)_nではn=2と3の間に強度ギャップがみられている。BauschlicherらのMg^+とH_2Oの錯体イオンについての計算によれば、1番目の水分子が金属イオンに近づくと、金属イオンの3sと3pの混成軌道が分極し、電子密度が結合している水分子の反対側に偏る。そのために2番目と3番目までの水分子は1番目の水分子と同じ側から金属イオンに結合して第一殻を形成する。4番目の水分子は第一殻の水分子に結合して第二殻を形成する方が第一殻に入るよりも大きい結合エネルギーをもつ。本研究におけるMg^+とアンモニア・メタノール混合クラスターの結合で、m+n=3と4との間に信号強度ギャップを生じることについては、これと同様な考え方で説明できると思われる。ただしm=0のとき(メタノールのみが配位)でn=2の位置に強度ギャップを生じることにはメタノール中のメチル基の立体障害が関係していると思われる。Al^+の場合m=2の系列でmagic number的な強度ギャップがみられる。その他の金属イオンM^+を含めてこれらの結果について考察した。
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