研究概要 |
1.イミンのN-ハロゲン化物の生成とその振動スペクトルに関する研究の一環として、N-クロロアルキリデンイミンを調べた。(CH_2CH_2)_2NHのガスを、N-クロロスクシンイミド(NCS)の粉末上に通しN-Cl化し、引き続いて石英中で適当な温度で加熱し、熱分解生成物の赤外スペクトルを測定した。(CH_3CH_2)_2NClの熱分解生成物の赤外スペクトルのバンドの数と位置、相対強度、回転構造等のスペクトルの考察、熱分解生成物に関する化学的考察から生成物はCH_3CH=NClであり、CHとClはC=Nに関し、cis型のコンフォメーションであると結論した。733cm^<-1>バンドのR,P枝には約0.7cm^<-1>の回転構造が観測される。これは少量成分としてのtrans体であると同定した。(CH_3CH_2CH_2)_2NH,(CH_3CH_2CH)NH(CH_2CH_3)を出発分子とすることで、N-Cl化物と脱HClによるイミンとに分岐する反応が温度により制御できることを見いだした。 2.これまで研究してきたアミンを出発とする熱分解に関する様々の反応の中間体、遷移構造の半経験的MO計算をMOPAC、PM3法で調べ、反応過程や未知分子生成の可能性を検討した。 3.CS_2のN_2レーザー照射で生成する物質の同定、上記熱分解に関連する反応のレーザー照射による効果の研究が進行中である。
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