本研究では右に示す新規高分子液晶材料の合成並びに電気物性の検討を行っている。化合物1については、ライトバルブとしての応用性を検討する目的で、分子配列の電場並びに磁場応答性を検討した。その結果、50V/10μmの直流印加により分子配列は電極面に対しホメオトロピック配列し光学的には透明状態となり無電加時での光散乱状態と合わせて、ライトバルブ機能を有する事を明らかにした。更に磁場によっても同様の光機能性を有することが明らかとなった。又、化合物1のような側鎖型化合物に於いて、ガラス転移に於いて非常に顕著な比熱の変化が見られ、これが側鎖部分の熱運動の凍結による大きな体積変化が原因であることを見いだした。 更に化合物2の合成を試みた。化合物2は末端部に高い非線形機能を有するといわれているMNA骨格を含んでおり、フィルム状の非線形材料の開発を目的としている。現在この合成を行っているが成功するには至っていない。すなわち、末端部のMNA部分は合成過程の最後に結合させる計画をもっていたが、ポリマー部分への導入割合が低く、物性測定可能な純品を得ることが出来ていない.今後、合成ルートの再検討が必要である。
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