1.三重県産シロウスボヤより得られたジデムニラクトン(1)およびその異性体2の構造は各種スペクトルデータからそれぞれ式1および2(あるいはそれらのエナンチオマー)と推定されていた。今回1、2の構造を合成により決定し、関連化合物について生理活性を検定した。 2.2-デオキシ-D-リボースから導いたアルデヒド3とイリド4とのWittig反応により共役トリエン6を得た。この6を2段階の反応でセコ酸7に導いた後、山口法でラクトン化し1のエナンチオマーを合成した。同様にして3とイリド5より2のエナンチオマーを合成した。合成した1、2のエナンチオマーの各種スペクトルデータは天然物のものとそれぞれ完全に一致した。以上により1および2の構造を絶対立体化学も含めてそれぞれ式1および2と決定した。また、ジデムニラクトン関連化合物には5-リポキシゲナーゼ阻害活性があることが判明した。
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