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1992 年度 実績報告書

金属錯体を利用した多点相互作用に基づく分子認識の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04640550
研究機関京都大学

研究代表者

梅谷 重夫  京都大学, 化学検究所, 助手 (80160315)

研究分担者 松井 正和  京都大学, 化学研究所, 教授 (90027037)
キーワード多点相互作用 / 金属錯体 / 水素結合 / 会合反応 / アミノアルコール / ピリジルカルビノール / ヒドロキシピリジン / アシルピラゾロン
研究概要

数種の4-アシル-5-ピラゾロン類の銅錯体を合成し、有機溶媒中(クロロホルム)での種々の有機化合物との反応性を吸光光度法により観測した。特に一分子中に窒素原子と水酸基を同時に有するアミノアルコール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジルカルビノール類について重点的に会合定数を測定した。会合定数はアシルピラゾロン類の酸としての強さ、窒素原子の塩基性の強さ、立体効果に影響されるが、同時に水酸基とアシルピラゾロンの配位酸素との間の水素結合の効果が観測された。この水素結合の強さは、窒素原子と水酸基との距離(メチレン鎖の長さ)、アシルピラゾロンの4-位の、特に電子求引性の置換基にも依存することが分かった。このような銅錯体との相互作用は従来予想されなかったものであり、多点相互作用を利用した分子の認識、またその応用としての分離・分析化学に新しい可能性を与えるものである。一部の系について熱力学的パラメーターを測定したが、結果は水素結合の存在を支持するものであった。
また、金属イオンと錯体を生成する反応部位以外に、少なくとももう一箇所官能基を有する配位子として、ニコチノイルピラゾロン、ヒドロキシベンゾイルピラゾロン等を合成したが、それらの銅錯体の溶解度がきわめて小さく、多点相互作用を測定することは出来なかった。しかし、配位子の配位酸素が水素結合などに利用できることが明らかになり、中心金属と配位子の配位部位が利用できることは、多点相互作用において金属錯体の利用をより普遍的にするものである。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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