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1992 年度 実績報告書

配位原子にアルキルペンダントをもつ金属錯体の立体化学とその反応性への効果

研究課題

研究課題/領域番号 04640583
研究機関熊本大学

研究代表者

後藤 正文  熊本大学, 薬学部, 教授 (50080180)

研究分担者 黒崎 博雅  熊本大学, 薬学部, 助手 (70234599)
森 弘正  熊本大学, 薬学部, 助教授 (40040315)
キーワードN-ベンジルエチレンジアミン / 配位原子 / アルキルペンダント / 金属錯体
研究概要

1.配位子および錯体の調製 合成した配位子L=N-ベンジルエチレンジアミン(Been)は新規化合物である。また、光学活性アルキル基としてR-1-(2-ヒドロキシメチル)プロピル基とS-2-ヒドロキシプロピル基を持つ、2,2-ジメチル-1,2-エタンジアミンのジクロロ白金(II)錯体の調整、構造解析を行った(公表ずみ)。[Fe(CN)_4(L)]^<2->,[Fe(CN)_4(L)]^-,[Co(NH_3)_4(L)]^<3+>,[Pt(bipy)(L)]^<2+>,[Pt(phen)(L)]^<2+>錯体は、既に報告した方法に従って合成した。
2.溶液および固体状態での構造 重水溶液中、[Pt(bipy)(L)]^<2+>[Pt(phen)L]^<2+>錯体の400MHz ^1H NMRスペクトルよりキレート環はN-アルキル基が擬アクシャル配向をとっていることがわかった。さらにBeen錯体では、一方の芳香環ジイミン(bipy,phen)の環の^1Hが著しく高磁場シフトしこれは分子内での芳香環同士の相互作用によるものであることがわかった。水-エタノールから得られた[Pt(bipy)(been)](NO_3)_2・H_2OのX線結晶解析では、N-ベンジル基は二級アミンに擬アクシャル配向しベンジル基のフェニル環と白金の関係はantiをとっていることがわかった。これは、再結晶時にエタノールを用いたためだと思われる。
3.配位子脱水素反応のN-アルキル基による反応性の向上 前述のテトラシアノ(1,2-ジアミン)鉄(II)錯体は、脱水素反応を起こしジアミン(I)→モノイミン,(II)→ジイミン鉄錯体,(III)を形成する。Been錯体において、(I)-,(II)-,(III)-鉄(II)錯体の単離に成功した。さらに鉄(II)錯体(I),(II)についてK_3[Fe(CN)_6]による酸化反応速度をジイミンの525nmの吸光度の増加を測定して求めるとv=d[Fe(CN)_4(ジイミン)]/dt=k[Fe^<11>][[Fe^<111>(CN)_6^<3->]][OH^-]で表すことができた。三次速度定数は、(I),(II)錯体でそれぞれ2.09×10^5,1.91×10^5M^<-2>S^<-1>であった。これよりN-ベンジル基の置換により、二級アミン部位での配位子脱水素反応(I)→(II)が加速され、律速段階が(II)→(III)へ移行したためであると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masafumi Goto: "Diastereoisomers of Platinum(II) Compleres with Chirol N-Subustituted 1,2-Diamines.I.Structure and Isomerization of Dichloroi(R)-2-[methy1-2-aminopropyl)amino]-1-butanoly platinum(II)" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 1428-1437 (1992)

  • [文献書誌] Masafumi Goto: "Diasterecistmers of Platinum(II) Compleces with Chiral N-Subustitubed 1,2-Diamines II.Structures of Dichloro [(S)-1-(2-amino-2-methyl prophyl)amino-2-propanol]Platinum(II)" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 2118-2126 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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