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1993 年度 実績報告書

照葉樹林構成種の遺伝的多様性と家系分析をもとにした更新過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04640612
研究機関大阪市立大学

研究代表者

神崎 護  大阪市立大学, 理学部, 助手 (70183291)

研究分担者 田村 実  大阪市立大学, 理学部, 助手 (20227292)
キーワード集団解析 / 照葉樹林 / 更新過程 / 同位体酵素分析 / カラスザンショウ / 酵素多型 / 遺伝的距離 / 遺伝子頻度
研究概要

13haの照葉樹林中に生育するカラスザンショウ約90個体から採取した葉肉組織の同位体酵素分析を行った結果,16の酵素種に付いて鮮明なバンドパターンを得ることができた.このうち6PG-1,6PG-2,SKD-2の4つの酵素は2つの対立遺伝子をもつ多型酵素であった.これら4つの酵素について遺伝子頻度を求め,ランダム交配を仮定した場合の遺伝子型頻度と,実際に観察された遺伝子型頻度の違いをG検定でチェックしたところ,SKD-1についてのみ危険率で有意差が認められ,他の3酵素種については有意差がなかった.このことから,このカラスザンショウの集団ではランダム交配が行われていると推定できた.また,カラスザンショウは13haの調査地内で7つの集中斑を形成しているのでそれぞれの集団での遺伝子頻度から,各集団間の遺伝的距離を求め,UPGMA法でクラスタ分析を行った.この結果、近接集中斑同士がまず結合して行き,このカラスザンショウは3つの遺伝的に均質な集団にまとめられた.このことから,遺伝子拡散の頻度は13ha程度の面積の中でも,距離の増加に対して明らかに減少していくことが明らかとなった.このような遺伝子拡散の距離依存性は,ポリネータとなる飛翔性昆虫の行動パターンで決定される花粉の移動距離や,種子散布者である鳥の行動パターンによって決定される種子の散布距離に依存していると予想される.
今回の結果はカラスザンショウの自家不和合性や種子の有効散布距離が約50m程度であることなど,すでに得られたカラスザンショウの繁殖と更新特性と整合的であると結論できた.

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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