研究課題/領域番号 |
04640628
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
保尊 隆享 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70135771)
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研究分担者 |
若林 和幸 大阪市立大学, 理学部, 助手 (10220831)
神阪 盛一郎 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60047214)
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キーワード | オリゴサッカリン / 細胞壁 / キシログルカン / アズキ / 成長調節 / ピリジルアミノ化 / アポプラスト / 分解酵素 |
研究概要 |
植物や真菌の細胞壁に由来するオリゴ糖は様々な生理活性を示し、植物の生活環の進行や植物と病原菌との間の相互作用を調節している。このようなオリゴサッカリン、特にキシログルカン・オリゴ糖が成長調節において果たす役割を明らかにするため、その代謝制御機構の解明をめざした。本年度は、イムノアッセイ並びに抗体と蛍光標識を利用した定量方法によってキシログルカン・オリゴ糖の内在濃度を測定するとともに、それらを生成する酵素を細胞壁中より抽出し、精製した。 1.アズキ上胚軸細胞壁を満たしているアポプラスト溶液を遠心法を用いて採取し、含まれるキシログルカン・オリゴ糖レベルを、それらに特異的な抗体を用いたイムノアッセイ(ELISA)により測定した。レベルは、10^<-8>M以下と極めて低濃度であった。 2.アポプラスト溶液をウェルに固定化したキシログルカン・オリゴ糖認識抗体と反応させてこれらオリゴ糖を除去した後、ピリジルアミノ化し、蛍光標識されたオリゴ糖をHPLCで分析した。得られたオリゴ糖ピークの減少よりキシログルカン・オリゴ糖レベルを算出した。 3.アズキ上胚軸細胞壁標品から高濃度の塩を用いて抽出されるタンパク質画分にキシログルカン分解活性を見い出した。同活性を、Con A-Sepharose、Mono S、Superdex75及びPhenyl Superoseカラムを用いて精製した。本酵素は今までキシログルカン・オリゴ糖生成に関与すると考えられてきたセルラーゼとは別の酵素であった。 4.同タンパク質画分にキシログルカン側鎖に特異的に作用するalpha-フコシダーゼ活性を見い出し、3.と同様にして部分精製した。
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