研究課題/領域番号 |
04640634
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
舘脇 正和 北海道大学, 理学部, 教授 (50000881)
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研究分担者 |
傳法 隆 北海道大学, 理学部, 教務職員 (70207512)
鈴木 稔 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30000855)
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キーワード | 石灰藻さんごも / 有用海藻 / 二藻培養 / アレロケミカル / 磯焼け / 成熟阻害 / 成長阻害 / 栄養要求性 |
研究概要 |
1.石灰藻さんごも数種を単藻培養し、有用海藻との二藻培養でアレロケミカルの分泌、放出の有無を検討した。その結果は、6、10、14℃で石灰藻のピリヒバ、モカサは、有用種のマコンブおよびミツイシコンブの雌性配偶体の成熟と胞子体形成を著しく阻害したが、低温になるほどその阻害効果は著しく減少した。 2.コンブ類の成熟には、培地中の溶存鉄濃度が著しい影響を与えることが知られているので、この鉄濃度と二藻培養との関連性を調べた。その結果は、1)10℃で石灰藻の藻体量が少ない場合は、溶存鉄濃度が高ければコンブ類の雌性配偶体の卵形成阻害は弱められた。2)14℃で石灰藻の藻体量が多いときは、雌性配偶体の成熟は鉄濃度と関わりなく阻害された。3)鉄欠乏培地では、コンブ類の配偶体は成熟せず糸状体の栄養成長のみを続けるが、二藻培養ではその栄養成長も著しく阻害された。 以上当初は無菌二藻培養による実験を目指したが、石灰藻を無菌化すると現在の培地では成長が全くみられないため、静菌培養のみの結果となった。 3.モカサを用いて無菌培養のための培地開発を試み、石灰藻の栄養要求性を検討した。その結果は、Grund培地では無機リン酸塩濃度は1/8Pで最も成長がよく、PES培地では有機リンは1/2〜2Pで成長がよかった。硝酸塩は必須栄養でカルシウムの添加は成長をさらに促進した。また、ビタミン類はB12、チアミン及びビオチンなど単独では有意な成長促進が認められなかったが、混合すると成長の促進が認められ、培地開発の足掛りが得られた。 以上の結果から、二藻培養によりマコンブやミツイシコンブに見られる成熟、成長阻害は、石灰藻から分泌されるアレロケミカルスによることが証明された。ただし既知低沸点臭化物ではなかった。低温下の培養でアレロケミカルスの生成量が減少することから、北海道南西部の磯焼け地帯で、冬期の海水温低下でのコンブ帯域の回復の説明となり得る。
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