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1992 年度 実績報告書

頭足類の新しい色覚の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04640656
研究機関大阪大学

研究代表者

鬼頭 勇次  大阪大学, 理学部, 助教授 (40028139)

キーワード視物質 / 生物発光 / 色覚 / 波長識別 / ドーパミン / セロトニン / 光感受性
研究概要

我々がホタルイカで発見した三種の視物質による頭足類の波長識別機構に関連する本研究は大きく前進した。1)ホタルイカの皮膚発光器の制御は驚くべきことにドーパミン、セロトニンによってなされていることを明らかにした。富山医科薬大の小橋、高屋研究室の協力を得て、4-5月の間富山に滞在してフランスCNRSのバソーと共同して行った。中枢からの神経系を介してのものか、循環系を介するものか、それぞれが別々のレセプターを介しているのかなどは来年度の研究計画である。またこれらトランスミッターの作用機構を発光を目安に進めることができるだろう。2)皮膚発光器のうち青い光を発するものと緑の光を発するものの制御機構の違いが温度感受性の差によることが明らかになった。ただ発光強度が緑のものは大変弱いことは新しい不思議な問題である。3)頭足類は大変長い視細胞を持っている、スルメイカ、ヤリイカ、シロイカ、ケンザキイカ、ホタルイカで視細胞外節部の横方向の吸光度を顕微分光法で測定すると100ミクロン当り0、7であった。光の入射方向では200ミクロンで約3、0になるのでカエルの桿体のものに匹敵する。視物質の分子吸光係数が30%低いこと、脊椎動物の視細胞のディスク膜に比べてマイクロビリイが粗であることがカエル視細胞と同じ感度を維持するためにも、より長い外節を必要としている理由であると推定できる。4)英国の海洋研究所のヘーリングらによって大西洋で採集されたイカ、タコ類の中に遂にホタルイカと同じような3種の視物質を持つもの、新しい視物質を含む2種の視物質を持つものが発見された。このことは深海の動物の光り環境への分子的適応の一般性を示すものである。5)新しい視物質が脊椎動物に発見された場合の検証のスタンダードとして、および他の既知の視物質との比較のためにウシの蛋白とで合成したものに付いて吸収曲線と光感受性を明らかにした。4位に水酸基を持つレチナールがな短波長に極大があるかをモデル系で明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 鬼頭 勇次: "ホタルイカの眼にみる深海生物学" ウミウシ通信. 13. 12-20 (1992)

  • [文献書誌] Y.KITO et al: "Absorbance spectrum and Photosemsitivity of a new synthetic visual pigment." Vision Research. 32. 3-10 (1992)

  • [文献書誌] M.Seidou,Y.Kito et al: "Three visual pigments in the firefly sguid Retina" Neurobiology of Cephalopod Oxford UNIV,Press. 1. 15-35 (1993)

  • [文献書誌] Y.KITO et al: "A blue sensitive visual pigment is found widely in mesopelasic Cephalopool" Structwe Function of the Retinal Proteins,Johy Libbey Eurotext. 411-415 (1992)

  • [文献書誌] T.Hamanaka et al: "Xray stmctione study of Cephalopod Setina" ibid.18-22 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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