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1992 年度 実績報告書

胎仔皮膚創傷治療における成長因子TGFβの役割とその活性化の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 04640669
研究機関北里大学

研究代表者

猪原 節之介  北里大学, 医学部, 助教授 (90101295)

研究分担者 塩谷 信幸  北里大学, 医学部, 教授 (80050376)
内沼 栄樹  北里大学, 医学部, 講師 (90146465)
キーワード創傷治癒 / 創閉鎖 / 胎仔(児) / 皮膚 / TGFβ / ラット
研究概要

ラット胎仔(胎令16日)皮膚を実験モデルとして、創閉鎖へのTGFβの関与の可能性を検討した。
創閉鎖活性は、胎令16日ラット(Sprague-Dawley)胎仔背部に直径1mmの全層欠損創をつくり、採皮後、Dulbecco変法Eagle培地(DMEM)中での培養を行い、欠損創の閉鎖を位相差顕微鏡下で経時的に観察することにより測定した。牛胎仔血清(FCS),培養後の皮膚片あるいは培地中に含まれるTGFβ活性は、Robertsらの方法に従い、NRK-49F細胞軟寒天培養法により測定した。
1. 本in vitro創閉鎖系において、(1)DMEMのみ;これに(2)5ng/mlbFGF;(3)5ng/mlTGFβ;または(4)10%FCSを加えた場合の間で創閉鎖速度を比較すると、bFGFが創閉鎖を殆ど促進しないのに対し、TGFβは10%FCSと同程度かそれ以上の促進効果を示した。
2. 軟寒天培養法によるTGFβ含量測定によれば、10%FCS中には、活性型が0.2ng/ml程度、不活性型がその数10倍の10ng/ml程度のTGFβが含まれると考えられる。
3. 新鮮皮膚片(FT画分)のTGFβ活性は、今回の測定では検出限界以下であるのに対し、24時間無血清培養後の皮膚片の組織画分(CT画分)および培地画分(CM画分)中には、有意なTGFβ活性(多くは不活性型)が認めらた。
4. in vitro創閉鎖系において、10%FCS存在下での創閉鎖の経時変化は、培養24時間までは1ng/ml TGFβに、また培養24時間以降は5ng/mlTGFβの経時変化に類似した。
以上の結果は、創閉鎖の過程にTGFβが関与することを強く示唆するとともに、TGFβ自体の活性化がその過程に包含される可能性を示すと考えられる。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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