研究課題/領域番号 |
04640705
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原 郁夫 広島大学, 理学部, 教授 (50033824)
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研究分担者 |
早坂 康隆 広島大学, 理学部, 助手 (10198830)
宮本 隆實 広島大学, 理学部, 助教授 (00090548)
竹下 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (30216882)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 三波川帯 / 秩父帯 / 高圧変成岩類 / 沈み込み帯 / テクトニック・エロ-ジョン / 底付け / 圧力-温度-時間-変形経路 / 褶曲機構 |
研究概要 |
西南日本の地体構造論は、近年多様多岐にわたる分野の研究の進展を背景として、急速に新しい展開をみせようとしている。このような展開の中で、鍵的位置をしめる地質体が三波川帯であった。いうまでもなく三波川帯は高圧変成岩であり、外帯の構成地質帯はいずれも付加体であるが、三波川変成岩はそれらよりははるかに沈み込み帯深部で形成されたものである。このため外帯のテクトニクスの研究は、沈み込み帯における高圧変成岩の上昇機構の解明という、今日世界的に注目を集めている課題をてがけることでもある。外帯の構成地質帯についての今日の地質構造論、化石・放射年代測定を基礎とする時代論、沈み込み帯での底づけの位置を決定するための岩石学、温度-圧力径路を推定するための岩石学は、構成地質体間の関係の理解を飛躍的に進展させた。このような進歩の中で、今日の重要な課題のひとつは、今日までかなりの進展をみせているものではあるが、構成地質体の微細構造解析を基礎とする、現在観察される構造関係の形成にいたる運動像を解明することである。三波川帯のナップの運動像、秩父帯とよばれている地質帯、四万十帯最上部の地質帯のナップ群の運動像を解明することである。このような観点からの研究を通して、この研究では、概略以下の諸点が明らかにされてきた。沈む込む地質帯は浅い位置の付加体をテクトニック・エロ-ジョンにより深部まで持ち込むこと(三波川変成岩類の冬ノ瀬ナツプ構成地質体の圧力-温度-時間経路の解析による)。沈み込み帯での底付けの機構・運動像(沢ヶ内ナップの運動像の解析による)。高圧変成岩はプレートの力学境界にそって上昇すること(猿田-冬ノ瀬-沢ヶ内ナップと坂本ナップとの接合の意味の解析による)。高圧変成岩類の上昇する沈み込み帯チャネルの構造(外帯ナップ群の圧力-温度-時間-変形経路の解析による)。
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