本研究最終年度平成5年度は、沖縄本島西海岸における流出様式の観測と、赤土の現場沈降速度の測定実験を行った。 沖縄本島西海岸における観測では思納村万座毛沿岸海域や、屋嘉田潟原干潟域を選んで観測をした。思納村万座毛沿岸海域では、大雨の季節の大雨後、赤土フロントがどのような流出パターンを示し、河口から沖合いまで最大何m流出するのかを観測した。そして底質中の赤土の量を化学分析などで分析し、どのような流出パターンを示すのかを、懸濁物としての流出様式と比較した。その結果、赤土フロント域で集中的な堆積があるが、これをあふれて、外海へとチャンネルを廻るように流出していく。その後、う回し、またリ-フ内に流入するというパターンは否定され、リ-フ内に見られる細粒のものは流出した赤土ではなく、リ-フ内で形成されていると思われる炭酸塩質のものであることが解った。 赤土の現場沈降速度の測定実験では、海水の塩分濃度を色々と変え、赤土粒子がフロキュレーションにより、どのように沈降速度が変化するかを調べた。その結果、塩分濃度が高くなる度フロキュレーションにより、大粒子化するたの沈降速度が早まることが解った。
|