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1993 年度 実績報告書

離水サンゴ礁のウラン系列年代測定からみた琉球弧の第四紀地殻変動解析

研究課題

研究課題/領域番号 04640719
研究機関金沢大学

研究代表者

大村 明雄  金沢大学, 理学部, 教授 (70019488)

研究分担者 太田 陽子  横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80017714)
キーワードサンゴ礁段丘 / 伊江島 / ウラン系列年代測定 / フィリピン,ボホール島 / αスペクトル^<230>Th / ^<234>U法 / ヒュオン半島 / 波照間島 / 更新世
研究概要

1.昨年沖縄県伊江島の最低位サンゴ礁段丘から採取したサンゴ化石のウラン系列年代測定を行ったが、目的とする更新世相当の年代値が得られず,現在の汀線付近のサンゴ石灰岩の中に,完新世に堆積したものが存在することだけは確認できた.
2.フィリピン,ボホール島産サンゴ化石の^<230>Th/^<234>U年代測定によって,同島における最終間氷期最盛期(酸素同位体ステージ5e)の礁性堆積物の存在が明らかになった.また,その分布高度などを考慮し,同島は,過去13万年間,殆ど隆起していないことが推論できる.
3.昨年度から続行しているパプアニューギニア,ヒュオン半島のサンゴ礁段丘の内,7万年以降現在までの低位段丘の年代が確定しつつあり,従来の見解を改めなければならないことが明確になった.特に,形成年代が28,800年前とされていたTerraceIIの年代が,実は約33,000年前となり,TerraceIIIの形成年代もこれまでより古いことが,αスペクトルおよびTIMS^<230>Th/^<234>U法両者から結論された.このことと段丘構成層の岩相および生相解析の結果を総合して,同地のサンゴ礁段丘から推定できる過去7万年間の海面変化の実態が見えてきた.
4.南西琉球構造区に属する波照間島の更新世サンゴ礁段丘から,新たにサンゴ化石試料を得,αスペクトル^<230>Th/^<234>U法による年代測定を行い,その結果をTIMS^<230>Th/^<234>UおよびESR年代と比較しながら,それぞれの方法の信頼性を検討した.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Grun,R.,Radtke,U.and Omura,A.: "ESR and U-series analyses on corals from Huon Peninsula,New Guinea" Quat.Sci.Rev.11. 197-202 (1992)

  • [文献書誌] Ota,Y.and Omura,A.: "Contrasting styles and rates of tectonic uplift of coral reef terraces in the Ryukyu and Daito Islands,southwestern Japan" Quat.Intern.15. 17-29 (1992)

  • [文献書誌] 大村明雄,太田陽子: "サンゴ礁段丘の地形層序と構成層の^<230>Th/^<234>U年代測定からみた過去30万年間の古海面変化" 第四紀研究. 31. 313-327 (1992)

  • [文献書誌] 大村明雄 ほか: "与那国島のサンゴ礁段丘および段丘構成層からのウラン系列年代-それらの海面・地殻変動史への意義-" 第四紀研究. (発表予定).

  • [文献書誌] Chappell,John,Omura,Akio ほか: "Revised late Quaternary sea levels between 70 and 30 ka from coral terraces at Huon Peninsula." Nature. (発表予定).

  • [文献書誌] Radtke,Ulrich,Omura,Akio ほか: "The Quaternary coral reef tracts of Hateruma(Ryukyu Islands,Japan)" Quaternary International. (発表予定).

  • [文献書誌] Ota,Y.,Koike,K.,Omura,A.and Miyauchi,T.: "Last International Shoreline Map" IGCP Project 274 and Commission on Quaternary Shoreline,INQUA, 1sheet. (1992)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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