研究概要 |
1.ゼオライト系三次元フレームワーク構造をモデリングするための基本概念の確立 ゼオライトフレームワーク構造は一連の同心クラスターにより構成される。一般に(n+1)次のクラスターはn次のクラスターの整合関係の上に構成されているので基本クラスターより出発して,それらの整合性を考慮しながら,低次のクラスターから高次のクラスターへと段階的に構築を進める。整合性はトポロジカルな面と,立体化学的な面の二つについて検討される。この方法の特徴は (a)出発基本クラスターはグラフ理論的に導かれる, (b)空間群対称性を一切必要としない, (c)クラスターの系統的誘導が可能, (d)生成クラスター相互構造特性化が出来る, (e)構造特性量に基いてフレームワークの分類が可能,などの利点がある。 2.コンピュータグラフィクスによるフレームワークの系統的導出 上に述べた基本概念をコンピュータグラフィクス上で走らせるためのプログラムを開発した。ゼオライトX,Yなどに代表されるホージャサイト型ゼオライトの基本クラスターを基に構築を進めたところ3次のクラスターとして9種,4次のクラスターとして119種が得られた。5次,6次以上のクラスターはコンピュータメモリーの制限のため,大容量のワークステーション,または大型計算機を必要とする。現在,そのためのコンピュタアルゴリズムを検討中である。
|