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1992 年度 実績報告書

背弧海盆海底熱水系における微量元素の濃集・分散メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 04640744
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

鹿園 直建  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10011751)

キーワード背弧海盆 / 熱水系 / 黒鉱鉱床 / 海嶺 / 変質作用 / 海水組成 / 熱水 / 水ー岩石相互作用
研究概要

今年度は以下の調査研究を行った。
(1)背弧海盆熱水系(黒鉱鉱床・マリアナ鉱床)の硫酸塩ー硫化鉱物チムニーの生成メカニズムの研究ーこれを明らかにするためにチムニーの鉱物学的地球化学的研究を行い,チムニーの特徴を明らかにした。その結果,チムニーの外側に硫酸塩鉱物が多く分布し,内側に硫化鉱物が多く分布,一般に硫酸塩鉱物の粒子サイズは硫化鉱物の粒子サイズよりも大きく,晶出時期は硫酸塩鉱物の方が早いことがわかった。これらの結果,及び細かい粒子の熱水中でのふるまいを考慮し,チムニー生成モデルを提出した。この沈降ー沈殿モデルでチムニーの生成メカニズムを説明することができることを示した。
(2)背弧海盆熱水系(黒鉱鉱床)における海水ー岩石反応とこれによる海水組成への影響を明らかにした。まづ黒鉱地域の変質岩の化学分析を行い,変質岩の化学組成の特徴を求めた。例えば,マグネシウム含有量とカルシウム含有量に負の1:1関係があることがわかった。これは海水と岩石が反応をし,海水からマグネシウムがとられ岩石につけくわわり,カルシウムは岩石からとられ海水へくわわったためと考えられる。この関係はすでに海嶺の変質玄武岩にもみい出されており,海水と岩石反応にみられる共通した特徴といえる。他の元素(シリカ,カリウム,ナトリウム等)とマグネシウム含有量との関係も求めた。これらの分析データなどをもとに海水起源の熱水が海水組成に与える影響について定量的評価を行った。
以上の(1),(2)は今回の研究によりはじめて明らかにされた点であり,今後も背弧海盆熱水系におけるプロセスの解明を行っていくつもりである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 鹿園 直建: "黒鉱鉱床および海嶺熱水性鉱床の生成モデル" 資源地質. 42. 331-337 (1992)

  • [文献書誌] 鹿園 直建: "地球システム科学,鉱床学,資源ー環境問題" 資源地質 特別号. 13. 16-22 (1992)

  • [文献書誌] Honma,H.Shikazono,N.Nakata,M.: "Dissolution of platinum in hydrothermcl HCl solution at 150℃." Resource Geology. 42. 259-261 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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