研究課題/領域番号 |
04650024
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究分担者 |
石井 恂 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30222946)
福田 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10064445)
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
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キーワード | 薄膜EL素子 / 強誘電体セラミックス / 酸化物蛍光体 / 多色発光EL素子 / 青色発光EL素子 / フラットパネルディスプレイ / 硅酸塩化合物 |
研究概要 |
酸化物蛍光体として、赤色発光では、(1)Y_2O_3:Eu、緑色発光では、(2)Zn_2SiO_4:Mn、青色発光では、(3)Sr_SP_2O_7:Eu、(4)Sr_2P_2O_7:Sn、(5)Zn_2SiO_4:Ti、(6)Y_2SiO_5:Ce、(7)BaMgAl_<14>O_<23>:Euを採用した。これらの内Zn_2SiO_4:Ti蛍光体を除き、他はすべて市販の蛍光体粉末を利用した。Zn_2SiO_4:Ti蛍光体は、ZnO、SiO_2粉末およびTiドーパントとしてTiCl_3もしくはTiO_2粉末を化学量論的組成比となるよう均一に混合した後、空気中、900℃で焼成して得られた。以上のようにして準備された各種蛍光体粉末をアルミニウム製皿に詰めたものをスパッタ用ターゲットとし、基板兼絶縁層であるBaTiO_3セラミックシート上に厚さ400〜1000nmの各種発光層が成膜された。発光層成膜後の各サンプルはArガス雰囲気中、800〜1100℃の範囲で30分から5時間アニール処理された。アニール処理された発光層上にアルミニウム添加酸化亜鉛透明電極を、反対側のBaTiO_3面上に金属アルミニウム電極を形成し、EL素子を作製した。この素子に、5kHzあるいは1kHzの正弦波交流電圧を印加したところ、各色で発光するEL素子を実現できた。すなわち、(1)を用いた場合では、赤色発光用蛍光体であるにもかかわらず、最高発光輝度13cd/m^2の黄色のELが得られた。(2)ではその処理プロセスにより、緑、赤、黄、白っぽい黄色発光の各最高発光輝度5600、1、70、14cd/m^2のEL(5kHz)が得られた。(3)では最高13.4cd/m^2の青色EL(1kHz)、(4)では最高0.3cd/m^2の白色EL、(5)では最高15.8cd/m^2の青色EL(1kHz)、(6)では最高8.5cd/m^2の青色EL(1kHz)そして(7)では最高2.1cd/m^2の黄色ELがそれぞれ実現できた。以上の結果は青色ELに関してもトップデータであり、フルカラー発光薄膜ELの実現に向けて大きく前進できたと考える。
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