研究課題/領域番号 |
04650024
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究分担者 |
石井 恂 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30222946)
福田 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10064445)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | エレクトロルミネッセンス / ELディスプレイ / フルカラーEL / マルチカラーEL / 青色EL / セラミック形薄膜EL / フラットパネルディスプレイ |
研究概要 |
本研究では、酸化物蛍光体薄膜を発光層として用いる新しいタイプの薄膜EL素子を提案する。すなわち、化学的に安定であり、絶緑層との適合性に優れている酸化物蛍光体の薄膜形成法、並びに素子構成の最適化を検討し、安定で長寿命な高輝度赤、緑、青色(フルカラー)EL素子を実現することが本研究の目的である。(1)現在CRTや蛍光灯用蛍光体として実用されている白色を含む多色発光各種酸化物蛍光体の高品質結晶性薄膜の成長技術、並びに最適作製条件を確立する。(2)蛍光体薄膜材料の化学量論的組成比、並びに添加不純物と得られるEL特性との関係を調べ、EL素子用発光層として最適な化学量論的組成比、並びに不純物の添加量等を決定する。並行して、(3)本酸化物蛍光体薄膜EL素子の素子物性を解明する。最終的には、(4)EL特性の経時特性を調べ本酸化物蛍光体薄膜EL素子の性能を評価すると共に、素子封止技術を確立することによって、カラーELディスプレイとしての実用化を検討する。(1)では、酸化物蛍光体として、Y_2O_3:Eu(赤色)、Zn_2Si0_4:Mn(緑色)、Zn_2SiO_4:Ti(青色)、Sr_2P_2O_7:Eu(青色)、Sr_2P_2O_7:Sn(青色)、Y_2SiO_5:Ce、BaMgA1_<14>O_<23>:Eu(青色)及びSr_2P_2O_7:Eu、Mn(青色または白色)を用いてBaTiO_3セラミック絶縁層上に高周波マグネトロンスパッタ法により発光層を形成し、700〜1200℃の範囲でポストアニール処理を施した。発光層薄膜の結晶性とEL特性との間に相関性が得られ、高結晶性の薄膜ほど高い輝度が得られた。現在のところ1kHz駆動の下で15〜20cd/m^2と十分な輝度が得られていないが、上記のような酸化物蛍光体をEL素子の発光層に用いて成功した例は初めてである。(2)では、特に有用であると思われるZn_2SiO_4母体のみの入手が不可能なため、ZnOとSiO_2粉末を混合、焼成したものをスパッタターゲットに使用した。ZnO/SiO_2のモル比が1/2より若干大きい方がより高い輝度が得られる傾向があることが分かった。(3)では、素子によって片極性で発光するものと両極性で発光するものがあり、現在透明電極と発光層との間にバリアが形成されていると考えているが、今後さらに詰める必要がある。(4)は今後に残された課題である。
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