MIP光源のプラズマを放電管中心軸上に保持し、効率よく生成させるため、内径が共振器内で不連続断面をもつダブルボアプラズマ管を考案した。従来低電力MIPでは困難であった溶液試料の直接噴霧導入が20W程度でも可能となった。 上記MIP光源を製作するにあたり、最適な共振器内径、不連続断面の位置を得るため、有限要素法を用いて詳細に共振器内の電界計算を行った。その結果、誘電率の高い材質を用い、共振器中央に不連続断面の位置を設定するのが内部電界エンハンスの点で有利であることが分かった。 計算結果を確認し、イオン源としての評価を行うため、上記光源を用いてプラズマ温度および電子密度の測定を分光学的手法を用いて行った。その結果50W程度のマイクロ波電力でも励起温度は4500K、電子密度として10^<15>cm^<-1>が得られ、十分な性能であることを確認した。また大電力パルス動作により平均電力を低く抑え、数百Wのピーク出力が可能である。
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