4月に開かれた米国航空宇宙学会のSDM Conferenceで、米国のスペースプレーンX-30のフラッタに関する研究が、従来未公表であったのがX-30の研究が一応終了したという事でまとめて発表されたので、この学会に出席調査を行った。その調査結果をも参考にして、 1.細長い胴翼形態のフラッタ解析用の非定常空気力として、遷音速を除く非圧縮性流から超音速流までslender body theoryを用いる事、極超音速ではVan Dykeの2nd-order theoryを用いる事で、定式化を行った。 2.これに基ずいて一様断面円筒殻という簡単な模型について解析的なフラッタ計算を行い、曲げ対〓1次と曲げ逆対〓1次の連成に基因してボディフラッタが起こる事を明かにした。 3.有限要素法を用いてボディフラッタ限界値を求めるプログラムを作り、2の問題について計算する事によりその精度を確認した上で、前年度の研究で調べた航空宇宙技術研究所でシステム研究中のスペースプレーンの一つのdemonstrator vehicleについてボディフラッタマッハ数M_Fを計算してM_F=11.2を得た。これは設計上問題となる値である。 4.低速風洞でこのボディフラッタが起こるようなフラッタ模型を設計製作し、固有振動数およびモードの測定並びに有限要素法による計算を行った後、風洞実験を開始したが、模型支持装置に問題があり、良好な結果が得られていない。
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