極超音速飛翔する前進翼機の流れ場を解析するために、昨年までに極超音速飛翔体周りの流れ場の可視化計測法の開発を確立してきた。具体的には、三次元(断面衝撃波の可視化法(第一放電法及び第二放電法)、極超音速飛翔体周りの空間流線の可視化法、極超音速飛翔体周りの温度場の可視化法、極超音速飛翔体表面の境界層の可視化法などの可視化計測法を確立してきた。 今年は主に、極超音速で飛翔する前進翼に生じる衝撃波形状を調べてきた。衝撃波形状を調べるにあたり、特に重要な問題である衝撃波の断面形状を可視化して調べた。調査は、前進翼の迎え角の変化に対して、衝撃波形状がどのように変化するかという点と、さらに、前進翼自体の形状の変化に対して、衝撃波形状がどのように変わるかという点について詳細に調べた。これらの調査により、前進翼の迎え角に対する、前進翼のリーディングエッジ部での衝撃波の離脱や付着の関係が明らかにされてきた。また、前進翼の形状の変化に対する衝撃波形状は、予測されている形状とはかなり異なったものであることが判明した。 尚、極超音速で飛翔する前進翼に生じる断面(三次元)衝撃波形状が可視化計測された例は、世界で初めてのことである。
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