研究課題/領域番号 |
04650101
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
帯川 利之 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70134830)
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研究分担者 |
笹原 弘之 東京工業大学, 工学部, 助手 (00205882)
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 講師 (20199855)
吉野 雅彦 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40201032)
白樫 高洋 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016440)
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キーワード | 計算加工システム / 切削加工 / 作業設計 |
研究概要 |
切削加工において、加工精度、仕上面粗さ、加工時間などの制約条件を満足する最適な作業条件を選定することは大変難しい。現状では熟練者の経験や外部の専門家の知識に頼らざるをえない場合が多く、生産加工システムのなかでも、作業設計に関する問題解決の手法が最も遅れをとっている。本研究は、これらの問題を解決するための計算加工システムの開発を行い、最適作業設計への適用を図ろうとするものである。 作業設計における最適切削条件の設定には、切削速度、送り、切込みの変更が、工具摩耗、工作物の熱変形、加工精度等にどのように影響するかを、全体として解析するためのシステムが必要である。開発した解析システムは、主としてマシニングセンタでのエンドミル加工における切削力、工具のたわみ、切削温度、工具摩耗、把持方法による工作物の変形、与えられた工具経路に対する工作物の非定常熱変形、熱応力を解析するものであり、これをエンジニアリングワークステーション上に構築した。 計算加工システムを構成する個々のサブシステムは、それぞれ単独で使用する際にはそれほど問題は生じないが、これらの膨大なシステムを同時に動かすことは不可能である。したがって作業設計の能率を向上させるため、切削温度や切削力などについては、解析結果を教示したニューラルネットワークを作成して、切削条件から短時間にこれらを得る効率的な構成とした。連続切削である旋削加工、断続切削であるエンドミル加工の場合について検討し、良好な結果を得た。これを用いて旋削加工の場合には、工具摩耗や仕上げ面粗さの経時変化を同時に予測し、最適な切削条件を求めることが可能となった。また、エンドミル加工の場合には、AEセンサによる逃げ面摩耗幅のモニタリングを併用して、工具摩耗に関し逐次最適な条件を選定する手法を示した。
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