光波干渉計測法は、高精度かつ非接触測定法として広く利用されているが、干渉計のアライメントは従来では目視によって行われてきた。これは、干渉機構の微小なティルトは観測される干渉縞の間隔と方向を認識する必要があるためである。そこで本研究では、しまパターンの認識に観測者の判断によらず、人工知能の応用により、干渉計アライメントから計測、解析までを完全自動化された干渉法の確立を目的とした。具体的には、干渉じまパターンをニコラルネットワーク応用画像解析し、この結果を基に干渉計微動機構を調節し、計測に適したパターンを得る。干渉計装置はザイゴマークIIを用い、試作したピエゾ素子による3軸調整機構を取付けた。しまパターンのビデオ信号をディジタルコンピュータに取込み、パターン認識する。認識のためのネットワークは自己組織化マッピングを基本に構築した。これは、干渉じまパターンが無限に存在し、基準パターンをあらかじめ設定するのが困難であるためである。パターン解析の前処理として、原画像の各要素について、しまの方向を判別するマスクパターンとの合致を計算し、方向を表す特微量に変換する。つぎにこれらパターンを、コホーネンのネットワークを用い、5×5のマトリックスにクラス別けする。実験結果から、しまの間隔と方向がほぼ等しいパターンは同一のクラスに分類できることが確認できた。この結果を基に、干渉機構のティルトを調整した後、しま走査干渉法によって最終結果を得ることができた。本研究で提案した手法によって、干渉計測法の自動化が可能であることが確認できた。
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