1.直進案内面の運動精度の理論解析法の確立 対向レール面にうねり製作誤差が存在する場合の静圧気体油滑直進案内面パッドの運動をシミュレーションするプログラムを開発した。すなわち、パッド移動に伴うすきま分布の変動をとり入れて、そのときのパッドの浮上量及び傾き特性を解析し、パッド姿勢を追跡することによってパッドの運動精度を求めた。なお、このとき、等価すきまの概念を導入することによって、レール面のうねりのピッチが比較的小さくなっても、計算差分間隔をそれに対応して細かくする必要がないようにし、これによって、計算時間を大幅に短縮することが可能になった。 2.直進案内面の運動精度の理論解析結果 パッド形状、溝位置、溝寸法、絞りの形式など、パッド諸元をパラメータとし、特に、対向レール面のうねりのピッチと大きさに注目して、パッドの運動を解析した。その結果、うねりのピッチとパッド長さの比がパッドの運動精度に大きな影響を及ぼし、この寸法比の値によって、平行変位の振れが大きくなる場合と、角度変位の振れが大きくなる場合があり、うねりのピッチの変化とともにそれらが交互に現われることを明らかにした。 3.直進案内面の運動精度の解析に対する簡易モデルの導入 上記2.の特性を支配する要因を追求するために、すきま内流れの本質を把握できるような簡易モデルを導入した。このモデルによる案内面の運動精度特性の解析は、次年度、引き続いて行う。 4.静圧気体直進案内面の運動精度の実験装置の試作 上記の理論結果の検討のため、静圧気体直進案内面の運動精度を実験的に検討するための装置を設計製作した。本格的な実験的検討は平成5年度直ちに行えるよう準備ができている。
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