研究課題/領域番号 |
04650140
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
冨田 幸雄 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 助教授 (00006199)
|
研究分担者 |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
|
キーワード | キャビテーション / 衝撃波 / 気泡 / 衝撃波 / 気泡の相互作用 / 気泡 / 気泡の相互作用 / ESWL / 生体損傷 / 圧力計 |
研究概要 |
昨年度に引続き、実用リフレクターと同型の反射体を用いて、第2焦点近傍での衝撃波フォーカッシング過程とその結果誘起されるキャビテーション現象を詳細に観測した。すなわち、試作したPVDF圧力計による圧力測定並びに超高速度カメラによる第2焦点近傍での流体場の光学観察を行なった。本年度は、特にリフレクター出口端の形状の変化に対するキャビテーションの発生状況に着目した。その結果、出口端に丸みをつけて第2焦点での膨張波の集束の程度を弱めることにより、キャビテーションの発生が相対的に抑制される傾向にあることが明らかとなった。しかしこの場合、第2焦点で達成される最大圧力にも影響が及ぶため、キャビテーションを抑えながらも結石破砕が効果的に行なわれるように、使用目的に応じた最適条件の選択が重要であることが示唆された。一方、第2焦点近傍に現われる複雑な現象の理解のために、より簡単な状況下で、衝撃波/気泡の相互作用並びに気泡/気泡の相互作用などの要素研究が行なわれた。例えば、生体模擬物質としてよく用いられるゼラチン壁面上に付着したガス気泡と衝撃波との相互干渉実験から、気泡を貫通してゼラチン層内を進行する液体マイクロジェットの貫入深さが、衝撃波の強さやゼラチンの物性に強く依存することが明らかにされた。さらに2個の気泡の相互作用に関する実験から、気泡は個々の運動の位相の違いによって様々な運動形態を取り得ることが明らかとなった。強い相互作用においては、超ジェットの発生や気泡の分裂・渦輪の発生など興味深い現象が現われた。この超ジェットの壁面衝突速度は、単一気泡に生成されるマイクロジェットのそれより大きく、軟質金属であるインジウム試片上にピット痕を残す場合があった。以上の結果は、既に国内・外の講演会やシンポジウムおよび専門雑誌に発表されている。
|