研究課題/領域番号 |
04650167
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
山本 正明 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (70191442)
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研究分担者 |
中林 幸三郎 摂南大学, 工学部, 助教授 (30207857)
杉山 司郎 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (70079549)
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キーワード | 流体力学 / 管内流れ / 二次流れ / カオス / 分岐 / アトラクター / 数値実験 / 力学系モデル |
研究概要 |
本申請の研究テーマは、力学系および分岐理論を基礎として長方形断面を曲がり流路内二次流れを例として、流れの位相的な構造を明らかにすることを主目的としている。本研究期間は平成4年度と5年度でもって終了する。平成4年度で購入されたEWSが順調に稼働し、大型計算機で実行していた数値実験がEWSで計算することが可能となった。その結果、長時間の計算を要する数値シミュレーションが容易に行なえることになった。このシステムにより、計算時間をとくに必要とする同時置換法による計算が詳細に数値実験された。平成4年度で主として数値シミュレーションされた逐次置換法による結果と比較して、同時置換法による流れは微小攪乱が少ないので数値解の明確な位相構造が得られた。また、この流れではホップ分岐する前に定常解から定常解への分岐が認められた。ホップ分岐以上の流れでは周期倍化現象が明確に確認された。また、アトラクターは流れを記述する位相空間の次元が減少するので、幾何学的にシンプルなアトラクター曲面が得られ、その形状はレスラーモデルに類似していた。このアトラクターにも折りたたみ構造が見いだされ、最終的にはストレンジアトラクターのカオスが存在することが予想された。逐次置換法と同時置換法との結果を考察して、圧力勾配を分岐パラメータとし、解のノルムおよび微小攪乱を位相平面とする3次元空間で分岐解のカタストロフ構造が推測された。しかし、流れのカオス構造を明らかにするためには理論的な取り扱いが必要であることがわかった。まずその手始めとして直線流路内の完全に発達した流れについて級数展開による力学系モデルを導いた。非線形性が流れに及ぼす影響、たとえば流れの多重性および安定性などが数式処理ソフトを使用して検証された。
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