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1993 年度 実績報告書

箱型フィンを用いた高性能自然対流伝熱面の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04650185
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

北村 健三  豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20126931)

キーワード自然対流 / 加熱平板 / 伝熱促進 / 高性能伝熱面 / 可視化
研究概要

本研究は、箱型フィンを水平平板上に設けることで、加熱平板からの自然対流熱伝達が促進可能なことを実証しようとしたものである。そのために、まず平滑な上向き加熱平板上の自然対流の伝熱・流動を明らかにした。水を試験流体として、板幅基準の修正レイリー数が2×10^3〜2×10^<15>の広い範囲について、可視化および局所熱伝達率の測定を行った。その結果、伝熱面上には板の端から中央に向かって順に、(a)層流境界層域、(b)はく離域、(c)乱流域および(d)衝突域の4つの領域が生じることを明らかにした。このうち、(b)と(d)の領域の存在は本研究によって初めて確認されたものである。一方、熱伝達率の測定から、板端からの距離xを代表長さとする局所ヌッセルト数の局所修正レイリー数に対する勾配は、上述の各領域において異なることを示した。
つぎに、低熱伝導率素材からなる箱型の仕切りを上述の伝熱面上に設置した場合について熱伝達率の測定を行なった。その結果、伝熱面中央付近での仕切り内部の熱伝達率は、仕切りの大きさおよび高さを適当に選べば、平滑面に比し、局所熱伝達率で最大60%程度、平均熱伝達率で20〜30%程度向上することを見いだした。つぎに、この仕切りを高熱伝導率素材で製作し、フィンとしての機能を持たせた場合について伝熱性能試験を行った。その結果、箱型フィンの大きさが20mm角で、高さが10mmの場合、平滑面に比し最大3倍程度熱伝達率が向上することが解った。また、高さ3mmのフィンでも約2倍という伝熱促進率が得られた。この値はフィンによる表面積の拡大率を上回る。以上の結果は、本研究で提案した箱型フィンが自然対流の伝熱促進上、極めて効果的であることを示している。なお、これらの詳細については3編の論文として公表し、箱型フィンの実験結果についても、近く論文として発表する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 北村健三: "有限な上向き加熱平板上に発生する自然対流の流動および熱伝達" 日本機械学会論文集. 58. 3715-3722 (1992)

  • [文献書誌] 北村健三: "水平加熱平板上自然対流の伝熱促進法について" 日本機械学会論文集. 60. 270-275 (1994)

  • [文献書誌] 木村文義: "水平加熱平板上に生じる自然対流の流動および熱伝達(高レイリー数域の伝熱・流動特性)" 日本機械学会論文集. 60. 566-573 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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