研究課題/領域番号 |
04650186
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋本 譲 京都大学, 工学部, 教授 (40032916)
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研究分担者 |
金丸 一宏 京都大学, 工学部, 助手 (20026199)
一色 美博 京都大学, 工学部, 講師 (90116434)
脇坂 知行 京都大学, 工学部, 助教授 (10089112)
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キーワード | 内燃機関 / 一次元ガス流動解析 / 給・排気管系 / 三次元ガス流動解析 / 吸・排気騒音予測 / ガス噴流 / 乱流拡散 / 偽拡散 |
研究概要 |
数値シミュレーションの手法が、内燃機関の流動現象の分析や開発設計に使用されつつあるが、これらの活用には予測精度の向上が必要である。問題点の一つは、温度、圧力、流速、乱れ、成分ガス濃度の値が、格子点位置で与えられるので、解を求めるに当たって、離散化に伴う偽拡散(数値拡散)が避けられず、予測精度の向上を妨げていることである。本年度は、偽拡散の少ない高精度の手法について検討を行い、以下の成果を得た。 1.一次元非定常ガス流動解析に用いる特性曲線法では、一般に管断面積に変化があるとき、流量の予測精度あるいは質量の保存性が悪化することが知られている。管断面積に変化がある場合の特性曲線および断面積の変化を表す基礎式の扱い方を明らかにすると同時に、この扱いをテストモデルに適用して、エネルギーおよび質量の保存性ともに十分な精度を持つ扱いであることを明らかにした。 2.一次元非定常流れで生じる管内の大振幅の圧力および温度の変化を計算して実験値と比較し、CIP法の適用により、圧力波およびガス粒予の移動速度で伝ぱする現象を数値拡散誤差なく追跡できることを確認できた。この方法を用い、一般膨張形吸気消音器について、実機流動変動に模した状態を境界条件に与えて三次元ガス流動計算を行い、流動抵抗と騒音レベルに及ぼす消音器形状の影響を検討できることを示した。 3.噴流において、噴出ガスが周囲ガスと拡散・混合して行く過程を精度良く解析するための計算手法として、Lagrange的に濃度輸送方程式を計算する手法であるCIP法について、一次元および二次元のもとで基礎的検討を行った。その結果、本手法はHYBRID法、QUICK法などの従来の手法に比ベて、偽拡散、波形歪みのいずれも小さく、対流・拡散による濃度輸送過程の高精度解析が可能であることが明らかとなった。
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